米国では大手3社中2社が黒字に
今回の決算では、JALは通期(22年3月期)の業績見通しを引き続き未定とする一方で、ANA HDは黒字化の目標を維持している。日本に先行する形で、すでに黒字化の目標を達成しつつあるのが米国の航空業界だ。航空大手3社(ユナイテッド、デルタ、アメリカン)の21年4~6月期決算では、デルタ、アメリカンの2社がコロナ感染拡大後初めて黒字に転換。ユナイテッド航空も大幅に赤字を縮小した。
日米の違いについて、JAL菊山氏は
「ワクチンの取り組み自体が早いということもあるが、さまざまなデジタル証明にかかわるいろいろな取り組みが先行的に進んでいる部分はあろうかと思う」
とみる。ANA HDの福沢氏は次のように話し、ワクチン接種率を上げて移動制限を緩和することが不可欠だとの見方を示した。
「今はワクチン接種の接種率が間違いなくカギになってくると考えている」
「例えばワクチンを接種した方から人の移動の制限を緩和する、ただしその大前提は、感染拡大防止策をきっちりした上で...。こういう取り組みを、より一層してもらえると、我々としても輸送機関としても非常に大きな形になってくると認識している」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)