韓国放送局MBCの「不適切放送」がまたも物議をかもしている。複数の韓国メディアが2021年8月8日に伝えた。
報道によると、「不適切放送」があったとされるのは8日朝に行われた東京五輪男子マラソンの中継。韓国代表・呉走韓(オ・ジュハン、32)がレースを途中棄権したことをめぐる同局解説委員の発言に、視聴者から批判が集まっている。
視聴者「解説はAIに任せた方が...」
呉は順調なスターを切ったものの、13キロ過ぎに左太ももに痛みが走った様子をみせ後退していった。その後も左太ももは回復せず、15キロを通過することなく途中棄権した。
呉はマラソン王国のケニア出身で、18年に韓国に帰化した。呉は過去に韓国で開催されたマラソン国際大会で複数回優勝した実績を持ち、今大会はメダル獲得の期待がかかっていた。
複数の報道によれば、呉の途中棄権を受けて、レースを中継していたMBCの解説委員が、レースを台無しにしたといったニュアンスの発言をした。韓国メディアの中央日報によると、視聴者からはこの発言に「本当に耳を疑った」などの声が上がったという。
韓国メディア「NEWSIS」も同様にMBCの一件を報じ、視聴者の声を掲載している。視聴者からは「このような解説をするならAIに任せたほうがいい」などの批判的な声が上がったという。
サッカーではオウンゴールの選手を揶揄する字幕
MBCの「不適切放送」は7月23日の開会式から始まり、ここまで男子サッカー、男子柔道、女子バレーボールで「不適切放送」が繰り返された。
開会式中継では各国選手団入場の際に不適切な画像を使用して世界中のメディアから批判を浴びた。7月25日に行われた男子サッカー1次リーグB組第2節ルーマニア戦ではオウンゴールしたルーマニア選手を揶揄するような「不適切字幕」で波紋を広げた。
さらに7月26日には柔道男子73キロ級で銅メダルを獲得した韓国代表・安昌林に対して実況したMBCキャスターが「私たちが望んでいた色のメダルではありませんが」とコメントし視聴者から反発の声が上がった。
MBCのパク・ソンジェ社長は26日に謝罪会見を開き、再発防止に努めていくことを明かしたが、7月31日の女子バレーボールでも「不適切放送」があった。
女子バレーでは質問と異なるテロップが
MBCユーチューブチャンネル「Mビッグニュース」で公開された韓国のエース金軟景(キム・ヨンギョン)へのインタビューのなかで、記者の質問とは異なるテロップを入れ物議をかもした。
インタビューでは、予選リーグに勝利した金に対して記者が「国民に希望を与えたが」と質問し、金が「ありがとうございます。とても満たされた気持ちです」と答えた。しかし、公開された映像では記者の質問のテロップが「サッカー、野球は負けてバレーボールだけ勝ったが」と処理されたという。
今大会、開会式を皮切りに幾度も「不適切放送」を繰り返してきたMBCが、東京五輪最終日にまたも国民の不評を買ったようだ。