ついに踏み切った...京阪電鉄が「大幅減便」 何がどう変わる?変更後のダイヤを分析する

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   「ついに踏み切ったか......」と思ったのは筆者だけではないだろう。京阪電気鉄道が2021年9月25日に行うダイヤ変更のことだ。

   今年1月に続いてのダイヤ変更だが、今回はコロナ禍による社会情勢の変化に伴い、大減便がキーワードとなっている。

  • 深夜急行は廃止される
    深夜急行は廃止される
  • 深夜急行は廃止される

昼間時間帯は15分間隔が基本に

   最もメスが入れられるのが昼間時間帯(10時~15時台頃)だ。

   現行は1時間あたり淀屋橋駅発特急6本・準急6本、中之島駅発が普通6本である。改正後は淀屋橋駅発が特急4本・快速急行2本・準急4本、中之島駅発が普通4本に。これまで10分間隔で走っていた特急や準急は15分間隔になる。

   交野線や宇治線も改正後は1時間あたり普通4本になるため、昼間時間帯は15分間隔が基本となる。

   ちなみに2021年7月現在、関西圏で昼間時間帯に15分間隔を採用している路線としては大和路線(関西本線)などが挙げられる。

   15分間隔の採用と同時にポイントとなるのが昼間時間帯における快速急行の新設だ。1時間に2本の運転だ。

   快速急行の停車駅は特急停車駅に加え守口市、寝屋川市、香里園に止まる。京阪間の所要時間は特急よりも延びることが予想され、同区間の速達輸送は一歩後退することになる。

   また快速特急 洛楽や特急などに連結されている「プレミアムカー」が昼間時間帯の快速急行にも連結されることになった。この場合、京橋~守口市間のような短距離利用も認められるかに注目したい。

全車両座席指定列車「ライナー」は増発

「ライナー」は8000系で運行されている
「ライナー」は8000系で運行されている

   大減便が目立つ内容の中で唯一の希望と言えるのが平日朝ラッシュ時と夜間に運行される全車両座席指定列車「ライナー」の増発だ。

   現在は朝ラッシュ時に出町柳発、三条発、樟葉発、枚方市発淀屋橋行きを各1本、夜間に淀屋橋発出町柳行きを2本運行している。変更後は朝ラッシュ時は樟葉発を1本増やし計5本に。夜間は2本増やし計4本とする。

   JR西日本もあらゆる手法でラッシュ時間帯に走る特急列車の利用を促しているが、京阪も同様の策に出たという印象だ。各私鉄もラッシュ時間帯に運行される座席指定列車の本数を増やすのではないだろうか。

   京阪が先んじてアフターコロナ対応のダイヤ改正にしたという印象だが、他の関西大手私鉄が追随するかが注目される。個人的には京阪本線のライバルである阪急京都本線も昼間時間帯15分間隔を採用するか否かに注目したい。

(フリーライター 新田浩之)

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