推すファンの心理は似ている?
しかし、見方によってはジャニーズファンがメンバーを応援する姿勢は「おそ松さん」などのファンとも似通っているのではないか、と指摘する論者もいた。音楽プロデューサーのヒャダインさんや、マンガ家の久保ミツロウさんである。かつて2人がレギュラー出演していたトーク番組「久保みねヒャダこじらせナイト」(フジテレビ系)2016年4月2日放送回で、ヒャダインさんは「おそ松さん」がヒットした理由について「一見すると同じように見える集団の中に個性を見つけ、それを愛でることに喜びを見出しています」と分析、これがアイドルファンの応援心理にも共通していると論ずる。すると久保さんも同意し、キャラクター同士のちょっとした関係性の描写が女性人気を巻き起こしたと話す。さらにキャラクター同士の関係に惹かれる心理の原点はジャニーズにあるとも久保さんは力説していた。
グループで活動するSnow Manは、ステージを離れたオフでは自由に馴れ合っている様子を見せる。バラエティ番組のちょっとした瞬間、あるいはYouTubeのSnow Man公式チャンネルでも様々な動画でその姿を見ることができ、フリーダムに企画を考え先輩後輩の区別なくフランクな空気で互いをイジりあっているところは確かに「おそ松さん」の六つ子の関係に近いのかもしれない。このようなメンバー同士の関係性にもファンは応援したくなるポイントを見出している。
実写映画版の菅原大樹プロデューサーは制作にあたって
「彼らの公式YouTubeチャンネルを拝見する機会があり、そこで見せる無邪気なやり取りや、お互いのことを想っている様子は見ていて本当に微笑ましくて、まさに『兄弟』そのものだなと感じました。もちろん笑いのセンスもある皆様ですので、彼らとなら『おそ松さん』を実写化出来ると確信しました」
とコメントしている。人数は9人と6人で異なるが、グループの持つ雰囲気が「おそ松さん」の六つ子に似ているとの発想が本作の実現に至ったのなら、Snow Manとおそ松さん双方のファン心理を損なわない、コメディタッチで楽しませるものが期待できるのではないだろうか。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)