東京五輪・トランポリン女子日本代表の森ひかる選手は2021年8月2日、自身のインスタグラム上で予選落ちの悔しさを吐露した。
子供のころから出場するのが夢だった大舞台のオリンピック。しかし憧れは重圧となり、逃げたくて仕方ない気持ちと戦いながら競技に向き合ってきたのだという。
「しっかり演技をしたかった、笑顔で終わりたかった」
森選手は2019年に、世界選手権個人で優勝し、東京五輪代表に内定した。五輪金メダル候補として多くの人々から期待を寄せられていた。
東京五輪においては7月30日、予選の第1演技を笑顔で飛び切り47.350点を出す。しかし第2演技は途中で台の外に飛び出し、中断することになってしまった。第2演技の得点は、16.425点。合計63.775点の13位で、無念の予選敗退となった。
森選手は8月2日、自身のインスタグラムを更新し今の心境を吐露した。
「小学生の頃から夢みてきたオリンピック、まさかこんな形で終わってしまうなんて思ってもいませんでした。しっかり演技をしたかった、笑顔で終わりたかった。
そしてこの舞台でしっかり演技をした選手がすごくカッコよかった」
投稿によれば、ずっと口には出してこなかったものの「オリンピックのメダルが欲しかった」のだという。自身が最高の演技を行えば手が届くと思っていたものの、「私はここで輝けるほど、強さを持っていなかったし、弱さが出てしまった」と振り返る。
「夢だったはずの舞台が怖くて、逃げたくて逃げたくて仕方なくて...」
森選手は試合後のインタビューで、「オリンピックの一か月前くらいになってからジャンプも飛べなくなってしまった」と涙をこぼしながら明かしている。
先述のインスタグラムの投稿でも、大きな重圧を背負ってきたことが伺える。
「世界選手権で優勝し、オリンピックが内定してからここまで本当に色んなことがあった、苦しかった。
何度も泣いて、笑顔が消えて行く自分にも悲しく、夢だったはずの舞台が怖くて、逃げたくて逃げたくて仕方なくて、私はオリンピックに出れるほど強い人ではないと思っていました」
そんな森選手が五輪の舞台に立てたのは、多くの人々が支えてきてくれたおかげだという。諦めずに舞台に立てたからこそ、五輪がどんな場所であるのか体験できたとして周囲の人々に深く感謝している。
また森選手は、逃げずにオリンピックに挑んだことについて、まずは自分をたくさん褒めたいと述べる。
「決勝をみてる時、もう頑張らなくていいんだなって思ったら、背負っていたものがスッと消えたのを感じて、苦しかったんだなと思いました。
どんなに苦しい日もよく逃げずにこの舞台まできて演技したね、初めてのオリンピックで期待される中よく頑張ったねって甘いかもしれないけど、今は自分を沢山褒めてあげたい」
そのうえで改めて、応援してきてくれた人々に感謝をつづった。