東京五輪のフェンシング男子エペ団体決勝で、生中継したフジテレビが金メダルを獲得した日本選手の1人を韓国選手と取り違えて放送し、批判が相次いでいる。
放送後にフジのアナウンサーが謝罪したが、説明が不十分だと不満がくすぶっている。フジは、取材に対し、「確認不足のため間違えた」と説明。フェンシング協会に謝罪したことも明かした。
腕に大きく「KOREA」の文字が入っていたが...
「エペ団体金メダルおめでとうございます」。メインキャスターの村上信五さん(39)が興奮した様子でこう声を上げると、スタジオ上部の映像でドームの屋根らしきものが開き、花火が打ち上がる夜空にフェンシングの選手4人の雄姿が現れた。
2021年7月30日に行われた決勝で、日本は、ロシア・オリンピック委員会と対戦して45―36で快勝し、念願を果たした。
ところが、フジの中継映像で、一番左の選手を見ると、腕に大きく「KOREA」の文字が入っている。本来なら、日本の加納虹輝選手(23)であるところ、韓国の朴相永(パク・サンヨン)選手(25)のガッツポーズになっていた。朴選手の後ろには、金メダルも映し出された。
「フェンシング界のまた歴史が変わる1ページ、1コマを我々見せていただきました!」
村上さんがこう話して、解説を務めた12年ロンドン五輪フルーレ団体銀の三宅諒さん(30)に率直な気持ちを聞く。すると、三宅さんは、「今、感無量ですね」と思いを語り始めた。しかし、放送では、韓国選手が混じった選手4人の雄姿がアップされていた。
番組でも、取り違えに気づいたらしく、CMをはさんで、現場の女子アナウンサーがこう説明して頭を下げた。
「先ほど、スタジオで皆さまにお見せした写真の一部に誤りがありました。大変失礼いたしました」
この放送直後から、ネット上では、日本選手を取り違えたフジに対して、非難する声が続々と書き込まれた。