開幕から1週間以上が経過した東京オリンピック。無観客での開催とはなったものの、ネット上には「目の前の熱い戦いをみると、これで良かったと思う」といった声が上がるようになるなど、五輪熱は確実に高まっているのが分かる。
だが、それとは一線を画す動きも広がっているようだ。2021年8月1日に放送された「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」(JFN系)で扱われたのは「オリンピックハラスメント」(オリハラ)なるテーマだ。
出演者を誘導して「オリハラ」の話題を出した有吉さん
番組中、パーソナリティーを務める有吉弘行さん(47)はオリンピックの話題になった際、番組出演者の「デンジャラス」安田和博さん(53)に対し、「(オリンピックについて)『あれよかったね、これよかったね』みたいな話ができたらなぁ、なんて思いますけど」と水を向けた。
これに対し、安田さんは柔道のウルフ・アロン選手(25)が男子柔道100キロ級決勝で延長戦になった際、大外刈りで金メダルを決めたことに言及。自身の子供と意気投合したことが嬉しかったと語ったのだった。
しかし、これに対し、有吉さんは「世間ではオリンピックハラスメントというのが話題になってますね」と、まさかの梯子外し。さらに、「オリンピックやスポーツに関心のない層から冷めた意見が(ネット上に出ている)」と、必ずしもオリンピックで盛り上がっている人ばかりではないと指摘したのだった。
熱っぽく五輪トークを始めた安田さんに、冷や水を浴びせるような切り返しを見せた有吉さん。つまり「オリンピックハラスメント」の話が出来るように安田さんに地ならしをさせていたわけであり、最初にオリンピックの話を振ったのは罠だったのだ。
一連のやり取りを聞いていたリスナーからは「オリンピックハラスメント(オリハラ)が巷では話題になってますが。。という入りが天才的すぎて笑った」といった声が続々と上がったのだった。
「オリンピックだけでなく、みんなが知っていて当然系の話し方する人は苦手だなぁ」
自身の思い通りの話が出来るよう、安田さんに地ならしをさせた有吉さんのテクニックが光った瞬間だったが、その「オリンピックハラスメント」については、確かに、開幕以降、「オリンピックの話題振られるの面倒くさい......」といったものがツイッター上に散見されている。
他にも、「オリンピックだけでなく、みんなが知っていて当然系の話し方する人は苦手だなぁ」と、そのようなハラスメントは日常生活に散見されると指摘する声もある。
なお、J-CASTニュースは以前、「『キメハラ』しちゃう人間の心理 好きなものを『押し付け』ないためには、どうしたら?」とのタイトルで、人気漫画「鬼滅の刃」に関して発生する「キメハラ」なるものについて記事化している。
記事では、相手にハラスメントと受け取られないようにするには、いきなり「鬼滅の刃」についての話をするのではなく、「最近、あなたは何か漫画は読んだ?」といった、一般性の高い質問から始め、そこで相手が同作の話題を出してきた場合にのみ話を進めるべきだとのコツを紹介していた。
恐らく、オリンピックの話題に関しても、「最近見たテレビ番組は何?」といった問いかけから始めれば、相手に「ハラスメントだ」と思われてしまうような事態は避けられるのではないだろうか。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)