東京五輪自転車競技・男子BMXレーシングで金メダルを獲得したニック・キンマン選手(25、オランダ)が試合後、日本への感謝とともに「コロナが落ち着いてから、旅しに日本へ戻ってきたいと思います」と伝えた。
キンマン選手は快挙の裏で、大会スタッフの不注意による練習中のアクシデントで負傷していた。
「(メダル獲得の)夢は終わりだと思った」
キンマン選手は7月30日、男子BMXレーシングで金メダルを獲得した。
大会直前の26日には、試合会場の有明アーバンスポーツパーク(東京都江東区)で衝突事故を起こしていた。コースを疾走中、国際審判員が不注意で飛び込んでしまい、激しくぶつかった。
大会組織委広報部は29日、J-CASTニュースの取材に「事前の安全配慮は最大限行っていたが、このような事故がおきたことは大変残念であり、今後このようなことがないように、改めて国際審判員を含む関係各者による今回の件に関してのブリーフィングを実施しており、注意喚起は今後も続け、再発防止に努める」と明かしていた。
オランダ公共放送(NOS)によれば、キンマン選手は膝蓋骨を損傷し、「(メダル獲得の)夢は終わりだと思った」と一時は出場を危ぶまれた。一方で、「スタッフが無事であることを祈っています」と審判員を気にかけるツイートもしていた。満身創痍の中、29日の準々決勝、30日の準決勝・決勝と鎮痛剤を飲んで臨み、見事優勝した。
キンマン選手は帰国の途に就く1日、日本語で「日本は元々好きな国だったのですが、また更に、親切な思いやりの日本に感動しました」とツイッターに投稿し、「コロナが落ち着いてから、旅しに日本へ戻ってきたいと思います。たくさんの応援、本当にありがとうございました」と感謝を伝えた。
スイスのワールドサイクリングセンターでともに活動する、BMXレーシング日本代表の長迫吉拓選手(27)は「チームメイトとして、そして友達としてとても誇りに思います。あなたから多くのことを学びました。ありがとう!!」とインスタグラムで賛辞を贈っている。