五輪専用「夜行新幹線」はなぜ幻に終わったのか 組織委に懸念された「鉄道ファン」の存在

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大阪・関西万博で深夜新幹線は見られる?

   今回の運行とりやめのポイントは深夜帯の運行という希少性もあるが、全車自由席にあったと筆者は思う。五輪の観戦チケットと新幹線指定席券を紐づけしていればこのような事態は避けられたのではないだろうか。

   しかし先述したように五輪自体が混乱しているため、事前準備は難しかったといえる。

   今回の深夜新幹線は潰えたが、今後運行される可能性が高いイベントとしては2025年に開催予定の大阪・関西万博が挙げられる。

   実は1970年に開催された大阪万博でも深夜新幹線は運行された。過去の例を考えると否応がなしに深夜新幹線への期待は高まる。

   「東京~新大阪間は約2時間30分だから、深夜新幹線は難しいのでは」と思うかもしれない。が、東北新幹線の深夜新幹線では約1時間30分を要する東京~仙台間を約3時間30分で走破するダイヤだったので、所要時間や距離は問題ない。

   大阪・関西万博で深夜新幹線を運行する際は万博のチケットと乗車券を紐づけにするなどして、無用な混乱が起きないことを望む。むろん、全車指定席にすることは必須要件だ。

(フリーライター 新田浩之)

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