「社員間の感染防止のため、乗務員室ではマスク着用を基本にしている」
JR東日本の広報部は21年7月28日、J-CASTニュースの取材に対し、クレームがあったのかについては明言しなかったが、「乗務員がマスクを着用した際の熱中症防止の観点から昨年7月以降に、当社の在来線全車両の乗務員室背面に貼付しています」と貼り紙をした理由を述べた。
運転士らのマスクについては、「社員間の新型コロナウイルス感染防止を目的として、乗務員室ではマスク着用を基本としています」と説明するとともに、「体調に異変を感じたときやその兆候を感じたときは、速やかにマスクを外すことも併せて指導しています」とも答えた。
実際に熱中症になった運転士らがいたかについても明言しなかったが、熱中症対策については、マスクを外すことの他に、「水分や塩分を携行し、補給や体温調節などは確実に行うこと」にも留意するように指導しているとした。
マスク着用で運転士らが熱中症になるケースは、実際に起こっているようだ。
愛媛新聞の20年8月15日付記事によると、JR四国では、同年7~8月にかけて、運転士がマスク着用も原因とみられる熱中症にかかったケースが2件あり、列車の運行を一時見合わせる事態にもなった。
また、電車でなくバスのケースになるが、東海テレビの21年7月24日付ウェブ版記事によると、乗客10人ほどを乗せた名古屋市バスが電柱に衝突する物損事故があり、運転士がマスクをしていたかは記事では分からないが、熱中症になった可能性があるという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)