「狙い通りの反響をいただけて大変嬉しく思っています」
もとは建築史の資料的価値の方を重視して出版されたが、正確かつ重厚な情報量に意外な方面からも話題になった。新装版である本書は2013年に旧版を出版して以来8年ぶりの刊行だったが、旧版刊行時と比べると、メイン読者層である建築専門職以外にも知名度は上がっている影響もあるのでは、と編集部は話していた。
「西洋建築史を学んでいる方はもちろんですが、写真を中心として解説していますので、一般の方にも広く読んでいただきたいです。例えば観光で訪れた建物への理解を深めるためのガイドとしても活用でき、また、イラストやCG作品の背景を制作される方や、小説を書かれる方に資料として活用していただければと思っています。写真やイラストから先行して建築の部位・用途・素材・様式などの名称を知ることができる上、英語名も併記しているので、インターネットで検索する際にも役立てていただければ、と考えています」(編集部談)
装飾・ファザード・柱など建築様式に関する教養も深めることができ、「多方面のオタクに優しい」と評判の本になった。今回の新装版のネット上での反響については、こう喜びを表している。
「元々弊社月刊誌『建築知識』が、特集によっては、資料に使える!と創作活動をされている方から反響をいただくことがあったため、本書も是非そういった層の方に届いてほしいと思っていました。SNS投稿をきっかけにして、狙い通りの反響をいただけて大変嬉しく思っています。また、この本を入口として、建築分野に興味をもっていただける方が増える(そして書店の建築ジャンルの棚へ足を運んでいただける...)と嬉しいなと思います」