台湾メディアは「矛盾」を指摘
記事はオーストラリア国内で大きな波紋を呼んだ。問題視されているのは、スワントン氏の「人種」に対する認識だ。
同国のジャーナリスト、マーク・フェンネル氏はツイッターで24日、自身も混血児だとした上で「このようなことはしないでください。周りの人が自分の人種を判断したがる世界で育つのはゴミのようなものです」と投稿。インターネットメディア「JUNKEE」も25日の記事で「外国人嫌いでナショナリスト的なレトリックで溢れている」とスワントン氏を批判した。
国外にも波紋は広がった。27日には、イギリスの日刊紙「The Times」電子版で『If Naomi Osaka thinks she's Japanese, that's good enough for me』(大坂なおみが日本人だと思っているなら、それで十分)と題したコラムが掲載された。
執筆したライターのサラ・トーア氏は「生まれた国、住んでいる国、母国語、市民権、パスポート、内なる感情、どれがあなたの民族性を決定するのでしょうか?『The Australian』紙のスポーツレポーター、ウィル・スワントン氏は、居住国が唯一の重要な情報であると考えているようです」と指摘。
さらに「2歳からイギリスに住んでいるトルコ系イギリス人女性として、私は大坂選手のテニスラケットでスワントン氏の頭を殴ってやりたいと思っています」と、強い表現で批判した。
台湾の日刊新聞「中国時報」電子版は、スワントン氏の「矛盾」を指摘した。27日の記事『大坂なおみは「東洋のオリンピック」で聖火を灯すには不十分なのか? オーストラリアのメディア:彼女は日本人には見えない』では、スワントン氏が王氏を最終ランナーに推薦したことに対し、次のように指摘している。
「王貞治も純粋な日本人ではないことに気づいていなかったのかもしれない」
王氏は日本出身だが、父は中華民国籍。日本以外の国にもルーツを持っている。