「赤旗」1面には「五輪中止 早く」
五輪開催をめぐっては、菅義偉首相が21年6月7日の参院決算委員会で、
「世界から選手が安心して参加できるようにするとともに国民の命と健康を守っていく、これが開催の前提条件」
「前提が崩れればそうしたことは行わない」
などと述べている。感染拡大の状況によっては「開催の前提条件」が崩れたとの指摘も出そうだ。東京都の29日の感染者数は3865人で、3日連続で過去最多を更新している。
枝野氏は、この発言を念頭に政府に対応を求めた。
「その(発言をした)中でのこうした(感染が拡大している)状況であるということを重く受け止めて、国民の命と健康を守ると言う責任から逃げることなく、真っ正面から向き合って対応することを強く求めてまいりたい」
立憲と同様に延期や中止を求めてきた共産党は、五輪は中止すべきだとの立場を維持しており、7月29日付けの機関紙「しんぶん赤旗」は、1面に「命危ない 医療現場悲鳴」「五輪中止 早く」の見出しを掲げている。
国民民主党は元々五輪の中止を求めてこなかった。検証の上、場合によっては延期すべきだとの立場で、開幕が1か月後に迫った6月17日には、玉木雄一郎代表が記者会見で「どうしてもやる」場合の次善の策として(1)五輪関係者にワクチン接種を義務づけ、接種証明を求める(2)国内は無観客で行う、ことを求めていた。
玉木氏は7月29日午前の記者会見で、中止には感染対策上の効果が薄く、現実的ではないとの見方を示している。
「いま中止するというのは現実的ではないと思う。なぜなら、いま中止しても、多分感染者は止まらない。今日とか明日とか出てくる数字(感染者数)も、2週間前の数字が出てくる」
その上で、五輪以外の原因を含めて感染増加の理由を分析すべきだとした。
「因果関係についての科学的・客観的分析がまず必要。東京だけではなく地方でも増え始めているのは、必ずしも五輪の影響だけではないと思っているので、夏休みになったこと、4連休...いろんなことが要素になって増えていると思うので、そのことをまず客観的な分析が必要」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)