立憲&国民、五輪中止は「現実的でない」 翻意の枝野氏「かえって混乱招く」

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   立憲民主党の枝野幸男代表は2021年7月29日の定例会見で、中止か1年延期を求めてきた東京五輪について、「まずはアスリートの皆さんには、目の前の競技に集中して全力を出していただきたいと思う」として、中止を求めない考えを明らかにした。

   すでに多くの関係者が来日して活動していることや、政府が適切に対応できていないことから、中止や中断で「かえって想像のつかない大きな混乱」のおそれがあると指摘。「あるべき論と同時に、現実というものを冷静に見極めなければならない」とも話し、現段階での中止の主張は現実的ではないとの見方も示した。

  • 記者会見する立憲民主党の枝野幸男代表(写真は立憲民主党の配信動画から)
    記者会見する立憲民主党の枝野幸男代表(写真は立憲民主党の配信動画から)
  • 記者会見する立憲民主党の枝野幸男代表(写真は立憲民主党の配信動画から)

「危惧したとおりの状況で、大変残念な状況の中での五輪」

   枝野氏は6月11日の記者会見では、

「このまま開催すれば、8~9月に、国内的に、今までの第3波が一番高い感染の山だったと思うが、それを超えるような国内における感染の爆発を生じる恐れが非常に高いと言わざるを得ないと思っている」

として、1年延期か中止を国際オリンピック委員会(IOC)と交渉すべきだと主張。この時点での中止・延期が現実的かを問う質問には

「制度的に言えば、日本の出入国の権限は日本政府が持っているわけだから、それを止めてしまえば、強引にでも止めることは可能。従って、その権限を背景にしてIOCと交渉するということであれば、まだ間に合うと思う」

と応じていた。

   改めて五輪を中止すべきかについて問われた枝野氏は、

「我々が危惧したとおりの状況になっており、大変残念な状況の中での五輪になっている。一方で、そんな中にもかかわらず、アスリートの皆さんには、本当にその困難を乗り越えるべく、競技にまい進されている姿には頭が下がる思いだ。現状、日程が半分近くまで進み、世界各国からすでにアスリートの皆さんなど多くの外国の方が来日し、日本の国内で活動をされてしまっている」

などと現状を説明。「政権を担うべき政党として」と前置きした上で、中止の主張は現実的ではないとの見方を示した。

「内閣の内部ですら、統一的で迅速かつ適切な対応が今の政府にはできていない。この段階で、この状況で五輪を中止や中断をすれば、かえって想像のつかない大きな混乱を招くということも、強く危惧をしているところだ。私たちは政権を担うべき政党として、あるべき論と同時に、現実というものを冷静に見極めなければならないというふうに思っている。まずはアスリートの皆さんには、目の前の競技に集中して全力を出していただきたいと思う」
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