東京五輪女子柔道の試合前のワンシーンが世界的に注目を集めている。
柔道女子63キロ級が2021年7月27日に行われ、ドイツ代表としてマルティナ・トライドス(32)が出場した。
IFJ「柔道は教育的なスポーツ」
話題となったのは、ソフィ・オズバシュ(ハンガリー)との試合前のシーンだ。
トライドスが畳に上がる前にコーチのクラウディウ・プーサ氏がトライドスの襟をつかんで激しく体を揺さぶった。さらにプーサ氏はトライドスの頬を左、右と平手打ち。このシーンがテレビ中継で流され、SNSで世界中に動画が拡散された。
コーチが試合前に選手に平手打ちをした行為について、国際柔道連盟(IFJ)は28日にコーチに厳重注意したと発表した。
IFJ公式サイトで「柔道は教育的なスポーツであり、柔道の道徳的規範に反するこのような行動は容認できない」との声明文が公表された。
選手「コーチが私を奮い立たせるために...」
一方、平手打ちをされたトライドスはインスタグラムでコーチの行為について言及し、「暴力的行為」でなかったことを明言した。
「これは(平手打ち)全然痛くなかった」とした上で、「前にも言っているように、これは私が選んだ試合前の儀式です。コーチが私を奮い立たせるためにやってくれたこと」とコーチとの信頼関係があっての行為だと主張した。
なお、トライドスはオズバシュに延長の末に敗れた。