「噴飯もの」批判、内部からも
さらに、記事内容については政権批判を多分に含む内容であったことから、「過度に政治的な内容だ」とする指摘が多かったという。しかし、「氏の主張を記事内で完結させる」ためには政治スタンスを明らかにする必要があったと説明した。
「書き手の感情をなるべく削がない形で掲載することをよしとし、その結果論点が散漫になってしまったこと、攻撃的な部分を残したことに批判があることは承知の上です」として、ライター・ワニウエイブ氏の感情を極力そのままに掲載したと述べた。
ワニウエイブ氏は開会式を見ていないにもかかわらず、記事タイトルは「実際に見た人間が書いてるのだと誤認させるものであり、本文を読んでみたら実際に開会式を見てないとは噴飯ものであるという批判は内部からもありました」として「その点は自分の落ち度だと考えています」と釈明した。
一方で、「開会式の様子そのものよりも、東京五輪とその開会式を取り巻くその状況が記事の対象であることから、開会式を見ていないことは致命的な欠陥ではないと判断」し、このようなタイトルにしたという。
Game Sparkのコンテンツであるゲームレビュー等の記事の制作姿勢にも疑念がもたれていることに対しては、「ゲームがいかなる既存の評価を受けていたとしても、編集部側で事前にゴール(結論)を設定・強制することはありません」とした。
今後、政治的な記事の掲載を増やしていくのかという声に対しては「そのような方針はありません」と否定。しかし、「古くからあるゲーマー蔑視や表現規制の問題、近年大きく取り上げられるジェンダーや人種差別の問題、ゲームの選挙利用等々」ゲーム関連記事には政治的要素が含まれるとして、「今回の様々なご指摘やご意見を参考に、適切な距離感や温度感を保ちながらコンテンツ作りに励んでいきたい」と説明している。