侍ジャパン投手陣の「意外なキーマン」 「ダルビッシュ2世」日ハム・伊藤大海が果たす大きな役割

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   東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパンは、2021年7月28日にドミニカ共和国との初戦を迎える。侍投手陣でキーマンになるのが、追加召集で選出された日本ハム・伊藤大海(23)だ。

   五輪の強化試合で開催された25日の巨人戦(楽天生命パーク)で、3回2死から2番手で救援登板。松原聖弥をフルカウントから外角の152キロ直球で空振り三振を奪うなど、1回1/3を投げて、無安打無失点と完ぺきな投球を見せた。

  • 稲葉監督(写真:Penta Press/アフロ)
    稲葉監督(写真:Penta Press/アフロ)
  • 伊藤大海のYouTube動画
    伊藤大海のYouTube動画
  • 稲葉監督(写真:Penta Press/アフロ)
  • 伊藤大海のYouTube動画

「安定感は12球団屈指です」

   ルーキーイヤーの今季は13試合登板で7勝4敗、防御率2.42。5月28日の中日戦(札幌ドーム)から目下6連勝中と絶好調で、最下位に低迷するチームの中で孤軍奮闘している。

   スポーツ紙デスクは「安定感は12球団屈指です。打線の援護に恵まれない登板も少なくない。他の球団だったら現時点で2ケタ勝利を挙げているでしょう。150キロを超える直球に加え、変化球もスライダー、スプリット、カットボール、チェンジアップ、カーブと多彩で質が高い。日本ハムでは先発ローテーションで回っていますが、大学日本代表では守護神を務めている。侍ジャパンで救援登板にも十分適応できるでしょう」と太鼓判を押す。

   力強さと器用さを兼ね備えている投球スタイルは、伊藤が尊敬する日本ハム・ダルビッシュ有に重なる。ダルビッシュは「ユーチューバー」としても有名だが、伊藤もプロ入り前の19年10月にYouTubeチャンネルを開設して話題になった。

   動画を見ると、決め球のスライダーを投げる時の意識や感覚を語ったり、トレーニング法を実践して説明したりするなど野球少年、アマチュア野球の選手に向けて自身の知識を惜しげもなく伝えている。

「性格を含めてダルビッシュと重なる部分が多い」

   伊藤を取材したスポーツ紙のアマチュア担当記者は「性格を含めてダルビッシュと重なる部分が多い」と指摘する。

「伊藤は野球小僧という言葉がピッタリ。ブルペンで投球練習を終えたら、すぐに自身の感じたことをメモに綴るなど意識が高い。変化球が多彩な点もダルビッシュと共通しています。手先が器用でボールを操る能力に長けている。YouTubeも当時アマチュアの選手が発信するのは珍しかったですが、良い意味で既成概念に縛られていない。東京五輪に選ばれたことも成長の糧にするでしょう」

   1点が重い国際試合は救援投手の投球が勝敗の命運を握る。強心臓の伊藤が地元開催の東京五輪でどんな投球を見せてくれるか。(中町顕吾)

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