見据える10年後の未来
新たな目標がある。「世の中に『モチベーショナルスピーカー』という職業があるのを知っていますか?」。日本ではあまり馴染みのない言葉だろう。
「欧米ではモチベーショナルスピーカーという職業の方々がいます。簡単に言うと、人々の前で活気づける言葉を発する仕事です。僕がYouTubeで今まさにやっている活動も通じるものがあります。講演家、カウンセラーといった職業がありますね。モチベーショナルスピーカーは、その2つが合わさった位置づけだと思っています」
AFP通信の18年6月12日付記事では、モチベーショナルスピーカーについて「聴衆を鼓舞するスピーチをする演説家」との説明がある。東洋経済15年10月30日付記事では、米国でモチベーショナルスピーカーとして活動するミサコ・ロックス氏が、同職について「人々がどうしたら日々刺激的に、自分のゴールに向かって進めばいいのかをコーチングする人たち。ただし、1対1で話すのではなく、大勢の前でスピーチをするのがほとんどです」と解説している。
「僕は日本で『モチベーショナルスピーカーといえば誰?』と聞かれたら、誰もが『山田千紘』と答えるくらいの存在に、10年後なっていたい。というか、なります。そのためのYouTubeであり、日々の発信です。今後、企業や小中高校を訪れて講演会などを開き、人々を勇気づけられるような言葉をもっともっと発せられる人間になります。それが僕の今の目標であり、挑戦です」
気付けば2時間話し込んだ。事故前後のことをもう少し聞こうとした時、山田さんはこう言って笑った。「事故は僕の中ではもう過去の話。過去を振り返ることも大事だけど、もう十分振り返ったから。『また昔の話してんのか』って言われちゃう。もっと未来を見据えていたいし、明るくいきましょうよ!」。29歳の青年は前しか見ていない。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)