ワイドショー・情報番組が転換期を迎えている。
小倉智昭さん司会の長寿番組「とくダネ!」(フジテレビ系)は2021年3月で終了。夏目三久さん司会の「あさチャン!」(TBS系)も9月に終了し、入れ替わりで安住紳一郎アナウンサーと俳優・香川照之さんの情報番組「THE TIME」が始まる。
移り変わる時代の中で、どんな番組が望まれ、また疎まれているのか。J-CASTニュースでは、現在地上波で放送されているワイドショー・情報番組の中で「正直終わってほしい番組」「これからも続いてほしい番組」を読者に聞いた。2つの投票結果から浮かび上がってきた傾向は...
「終わってほしい」上位には共通点が...?
アンケートはJ-CASTニュースのサイト内で、投票作成サービス「トイダス」を用いて実施。毎週月曜日から日曜日まで、朝~昼に放送されている31番組について、「正直終わってほしい番組」「これからも続いてほしい番組」を聞いた。6月21日18時10分~7月21日13時までに集まった3403票(「終わってほしい」が1619票、「続いてほしい」が1784票)をもとに、それぞれの結果を見ていこう。
まずは「正直終わってほしい番組」。特に票数の多かった5番組は、次の通りだ。
5位の「アッコにおまかせ!」(TBS系、毎週日曜日、124票)は放送35年を超える長寿情報バラエティー番組。司会の和田アキ子さんを中心に、芸能人がニュースを賑やかに語り合うスタイルで知られる。4位の「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系、毎週月~金曜日、125票)はフリーアナウンサー・宮根誠司さん司会のワイドショー。当初は読売テレビ(大阪)制作の関西ローカル番組だったが、07年に全国放送に昇格した歴史を持つ。
3位は「サンデーモーニング」(TBS系、毎週日曜日、165票)。政治や社会を硬派な視点で掘り下げる、関口宏さん司会の長寿番組だ。2位の「モーニングショー」(テレビ朝日系、毎週月~金曜日、253票)は、司会の羽鳥慎一さんと個性的なコメンテーターとのやり取りが印象的だ。
そして1位は、俳優の坂上忍さんが司会を務めるワイドショー「バイキングMORE」(フジテレビ系、毎週月~金曜日、290票)。31年半続いたバラエティー番組「笑っていいとも!」の後釜として14年から放送されている。(14~20年までの番組名は「バイキング」)
ネットユーザーから不名誉なレッテルを貼られてしまった番組たちだが、これらには共通点がある。印象に残る司会者やコメンテーターがいるという点だ。
例えば「サンデーモーニング」では、野球選手に「喝」を入れる張本勲さんがご意見番として、「モーニングショー」では玉川徹さん、長嶋一茂さんがコメンテーターとして存在感を発揮。「バイキングMORE」では、坂上さんが「憎まれ役」を買って出ている。
アクの強い出演者の存在が、人によっては不快に感じてしまうのかもしれない。
「続いてほしい」上位はまさかの結果に
では「これからも続いてほしい番組」の方はどうだったか。5位は博多華丸・大吉の2人が司会の「あさイチ」(NHK、毎週月曜~金曜日、96票)。主に女性をターゲットにした生活情報番組で、「性」や「推し活」といった独自性の強い特集内容もたびたび話題を呼ぶ。
4位は「グッド!モーニング」(テレビ朝日系、毎週月曜~金曜日、121票)。「モーニングショー」の前の時間帯に放送される報道情報番組で、同時間帯の他局「めざましテレビ」(フジテレビ系)、「ZIP!」(日本テレビ系)などと比べると、エンタメ色は薄めだ。
驚きだったのは3位以降。2位の「続いてほしい番組はない」(232票)を挟み、3位に「モーニングショー」(200票)、1位に「バイキングMORE」(303票)が名を連ねた。いずれも「終わってほしい番組」で上位だった番組だ。
実際に「モーニングショー」は16~20年度の5年連続で、同時間帯の民放トップの個人・世帯視聴率を獲得するなど、数字面でも視聴者からの支持を集める。レギュラーコメンテーターである玉川さんは、番組内の発言が毎日のようにネットニュースになるなど、今や「日本の朝のご意見番」という風格だ。
1位だった「バイキングMORE」司会の坂上さんも、今やネットニュースの「常連」として定着。おぎやはぎ・小木博明さんやカンニング竹山さん、ヒロミさんといったコメンテーターの発言も、世間をにぎわせる。
アンチも多ければ、ファンも多い――。今回の「モーニングショー」と「バイキング MORE」の結果からは、そんな視聴者の愛憎具合がうかがえる。
ただ、「終わってほしい」で上位だった「サンデーモーニング」は31番組中13位(40票)、「ミヤネ屋」は18位(24票)、「アッコにおまかせ!」は20位(17票)と、「続いてほしい」ではさほど票を伸ばせなかった。