東京五輪「トラブル年表」 競技場問題に盗作騒動、失言&辞任も続々...迷走だらけの8年を振り返る

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

開閉会式演出でもゴタゴタ相次ぐ

2015年7月、公式エンブレムに佐野研二郎氏のデザインが採用された。直後に盗用の指摘が相次ぎ(佐野氏は記者会見を開いて否定)、同9月に使用中止が決まった(写真:アフロスポーツ)
2015年7月、公式エンブレムに佐野研二郎氏のデザインが採用された。直後に盗用の指摘が相次ぎ(佐野氏は記者会見を開いて否定)、同9月に使用中止が決まった(写真:アフロスポーツ)

   開幕直前まで続いたのが、開閉会式をめぐるトラブルだ。

   元々開閉会式の演出は、能楽師の野村萬斎氏を総合統括とし、クリエイティブディレクターの佐々木宏氏や映画監督の山崎貴氏ら7人の演出企画チームが担う予定だった。だが、20年12月にチームは解散が発表され、佐々木氏が総合統括に起用された。大会延期に伴う演出の簡素化や効率化が理由だとされたが、7人の間の確執も指摘されていた。

   その佐々木氏をめぐるスキャンダルが21年3月、週刊文春に報じられて発覚。佐々木氏が、タレントの渡辺直美さんをブタとして演じさせる演出プランを提案していたことが、容姿を侮辱するものだとして問題化。辞任に追い込まれた。

   問題となった提案はLINEグループへの投稿で行われ、渡辺さんについて、ブタやブタの鼻の絵文字を使って「オリンピッグ」と表現していた。この投稿は20年3月のもので、直後に演出チーム内から批判を受けて撤回に追い込まれた。にもかかわらず、その1年後に問題が大きく報じられたことの背景に、組織委や演出チームをめぐる権力闘争を疑う声も出た。

   21年4月には、やはり文春が内部資料をもとに開会式の演出案を報じた。組織委は著作権侵害を理由に掲載誌の回収や資料の破棄を要求。ここでも批判を浴びた。

   7月14日、組織委は開会式の楽曲を小山田圭吾氏が担当することを発表。直後に、小山田氏が小学校から高校時代に障害者とみられる同級生2人をいじめていたことを語るインタビュー記事の存在が注目を集めた。インタビューが掲載されたのは94年と95年に発行された雑誌で、25年ほど前の告白だ。だが、インタビューで自慢げに手口を紹介したことから、15日には「いじめ自慢」という単語がツイッターの「トレンド」入り。批判が加速したことを受け、小山田氏は16日にツイッターで謝罪文を公開した。組織委は小山田氏の続投に理解を求めたが批判は収まらず、小山田氏は19日に辞任を表明。組織委は開会式に小山田氏の楽曲を使わないことを決めた。

姉妹サイト