東京五輪「始まれば盛り上がる」はどこまで本当? 心理学博士に見解を聞いてみた

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日本人は「騒ぐきっかけ」を探している

   まず、鈴木氏は、五輪が始まっただけでは国内の空気は変わらないと指摘しつつも、日本人選手の金メダルラッシュが始まると、それまでの様相が一変するのではないかと指摘する。

「あくまで私の感覚ですが、メダル獲得数で言うと、金メダル5個目獲得が目安になるのではないかと思います。

『金メダル5個到達』をきっかけにして、開催反対派の心に変化が起き、それまで反対していたにもかかわらず、『やって良かった』と言う人がでてくるのではないでしょうか。ただ、コロナの患者数が大幅に増加したり、選手村でパンデミックが起きた場合は、5個よりも多くないと手のひら返しは起きないように感じられます。もちろん、開催賛成派は最初からお祭り騒ぎとなります」

   また、これに関連して鈴木氏は開催反対派の一部が、次のような複雑な心境を抱いているのではないかと推測した。

「コロナ流行以来、日本人は自粛続き。これにより、日本人は『騒ぐきっかけ』を探しています。また、特に自粛を要請されているのは『飲酒』という行為ですが、この状況を例えるなら、『酒を飲むことを禁じられているが、あと少しで飲めるようになる人間』。すなわち、20歳の誕生日や成人式を目前に控えた若者です。

そこに、成人式......ではなくオリンピックが開幕した場合、それすなわち『騒ぐきっかけ』であり、我慢を終わらせる絶好の機会とも言えます。ということは......身もふたもないことを言ってしまうと、開催反対派の中に『五輪開催をきっかけにして自粛をやめてやろう』と考えている人が一定数いてもおかしくないわけです」
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