寝具メーカー・エアウィーヴ(東京都千代田区)が公式ツイッターで2021年7月20日、東京五輪・パラリンピック選手村に設置された段ボールベッドをめぐる一部報道やSNS投稿に対し、提供元として見解を発表した。
「一般的な木製やスチール製のベッドフレームよりも頑丈」
エアウィーヴは段ボールベッドの耐久性などに関する問い合わせが世界中から届いているとして、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村に提供している寝具について」と題した見解を発表した。
ツイートに添付された説明文では、冒頭で「選手村の段ボールベッドは、一般的な木製やスチール製のベッドフレームよりも頑丈に作られています」と紹介している。段ボールベッドを採用した理由として、選手ひとりひとりが自分に合わせてマットレスのパーツをアレンジできるようにするためであったことから始まったと説明した。
「今回、段ボールベッドの採用に至ったのは、肩・腰・脚の3つに分割された表裏で硬さの異なるマットレスのパーツを選手自身が容易に入れ替えたりひっくり返したりして硬さをアレンジできるよう、マットレスを最小限の厚さにする必要があったことから始まります。
三分割にして個別にアレンジできるようにした理由は、個々の選手の筋肉量、体形、体重などに応じて、マットレスの反発力を選手ひとりひとりに最適化するためです。最適化することで、睡眠時に身体への負担を少なくしてより深い睡眠をとることができます」
さまざまな素材から段ボールを選んだ理由については、独自素材でできたマットレスは「体圧分散性に優れながら非常に軽いのが特長」とするも、「厚みを少なくした分、人が寝た時にフレームに負荷が掛かってしまうので、頑丈なフレームを用意する必要がありました」として、次のように説明した。。
「木材やスチールなど、さまざまな素材で検証した結果、段ボールが最も頑丈であることがわかりました。耐久性テストの結果、200kgまでの荷重に対応できることが実証されています。
このような経緯から、選手村には軽くてカスタマイズしやすいマットレスとあわせて、段ボールベッドを提供しています」
同社は「オリンピック・パラリンピックに参加するすべてのアスリートにベストな睡眠環境を提供できるよう、引き続き全力でサポートして参ります」と結んでいる。同社は同じ内容の見解を英文でもツイッターに掲載している。
選手村に設置された段ボールベッドをめぐっては、米国の陸上男子長距離のポール・チェリモ選手が17日、ツイッターに「段ボール製のベッドは選手同士が親密な関係になるのを避けるためである」と投稿し、拡散。一部海外メディアでは、段ボール製のベッドは新型コロナウイルス感染対策のソーシャルディスタンスを取るため、耐久性を低くして1人分の体重しか支えられないように作られた「アンチ・セックスのためのベッド」だという報道もされていた。