小山田圭吾の「身内」立て続けに「挑発」→削除・謝罪 「炎上必至」の内容なぜ投稿?識者が分析

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   雑誌インタビューでの「いじめ告白」が物議を醸していた「コーネリアス」の小山田圭吾さん(52)が東京五輪開会式の作曲担当を辞任したが、騒動の炎はその後に発信した「身内」にも飛び火した。

   小山田さんの従兄弟である「肉マイスター」田辺晋太郎さん(42)のツイートに批判が集まったほか、小山田さんの所属バンド「METAFIVE」メンバーのゴンドウトモヒコさんが18日にツイートした内容も「炎上」した。

   いずれも世間の声に対して挑発的とも取れる言葉を使っており、のちに削除して謝罪。立て続けに起きた事象に、ツイッターでは一部で「ゴンドウも田辺もツイートする前に叩かれるって想像つかないのかな」といった疑問の声もある。田辺さんやゴンドウさんはなぜこうした投稿をしたのか、その考えられる理由について、J-CASTニュースは識者に意見を聞いた。

  • 田辺晋太郎さん(2016年撮影)
    田辺晋太郎さん(2016年撮影)
  • 田辺晋太郎さん(2016年撮影)

「先程は辞任の速報を受け、取り乱して不適切な投稿をしてしまいました」

   小山田さんが辞任するとの一報が流れた19日夜、田辺さんは「はーい、正義を振りかざす皆さんの願いが叶いました、良かったですねー!」とツイートした。これに対し、ツイッターユーザーからは次々と批判が寄せられ、投稿は短時間で削除。さらに田辺さんは、「先程は辞任の速報を受け、取り乱して不適切な投稿をしてしまいました。ご不快な思いをされた方に対し謹んでお詫びすると共に猛省しております。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪のツイートをしたが批判はやまず、その後アカウントを削除した。

   一連の動きに対し、ツイッター上では「田辺晋太郎は何でわざわざゴーゴー燃えてるところに航空機燃料ぶちまけるようなことしたの?」「余計なこと言わないと気が済まないんですか?どう考えても後から叩かれるの分かるのに」といった、上記の内容をあえて投稿したことへの疑問も出ている。

繰り返された挑発的投稿

   確かに言葉遣いは挑発的といえ、見事にツイッターユーザーの怒りを買ってしまった今回の田辺さん。さらにその前日、小山田さんの周囲では田辺さん以外にもすでに、「いかにも叩かれそうな投稿」で「炎上」してしまった人がいた。小山田さんが所属するバンド「METAFIVE」のメンバーのゴンドウトモヒコさんだ。

   ゴンドウさんは17日、いじめ告白記事への批判拡大で謝罪文を発表した小山田さんを擁護する形で、「偉いよ小山田くん。受け止める。いい音出してこう!!!!! 寧ろ炎上なんか◯◯喰らえ」とツイート。しかし、炎上を受けツイートを削除し、翌18日に「[先日の削除したツィートに関して]余計な一言のために油に火を注ぐようなことをして大変申し訳ありませんでした」とツイートしていた。こちらも「炎上なんか◯◯喰らえ」といった言葉が反発を招いたと考えられるだろう。

   なぜ、叩かれることが予想できそうな挑発的投稿が小山田さんの周辺で相次いだのか。J-CASTニュース編集部はその謎についてITジャーナリストの井上トシユキ氏に話を聞いた。

著名人の間で広がる「ネット上の行き過ぎた正義感はどうなの?」という感覚

   まず、井上氏は「小山田さんの周辺で相次いだ」という点については「近しい人を助けたいとの思いが働いたのだろう」と指摘しつつ、著名人たちの間で近年広がっている「ネット上の行き過ぎた正義感はどうなのか」という感覚について指摘した。

「ここ1、2年、著名人の間には『ネット上の行き過ぎた正義感はどうなの?』といった感覚が見られる傾向にあります。また、ネット上の匿名の人々からも、『そうだよね!』という声が以前よりも上がるようになっています」

   最近で言うと、7月8日に「ASIAN KUNG-FU GENERATION」の後藤正文さんが、「聖人君子しかモノ言えぬ空気ってのにも、抗いたいよね」とツイートしたことが話題になった。これは、2年連続で「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」が中止になった際の「ゲスの極み乙女。」川谷絵音さんのツイートが炎上してしまったことに対してのものだった。

   これらを指摘した上で、井上氏は以下のように田辺さんやゴンドウさんの思考回路を推測した。

「後藤さんの件は田辺さんらの件とは必ずしも重なり合う点ばかりではないかもしれませんが、この『ネット上の行き過ぎた正義感はどうなの?』という感覚を田辺さんらも持っていたとしたら、『一般的に考えれば叩かれるに決まっている投稿を行った』という点が、実にスッキリと理解できます」
「要は、田辺さんらは小山田さんが『音楽における実績』という面では申し分ない存在であると考え、小山田さんが引きずりおろされたことについて、『ネット上の行き過ぎた正義感はどうなの?』という考えを抱き、そこから『ネット上においてある程度の支持が得られる』と判断し、ツイートに踏み切ったということです。ただし、そのツイートは『はーい、正義を振りかざす皆さんの願いが叶いました、良かったですねー!』などと実に挑発的なものであり、やはり炎上してしまったのです」

   これらを指摘した上、最後に井上氏はこうも解説した。

「今回、田辺さんらは当該ツイートのあと、比較的短時間でこれを消去し謝罪。田辺さんの場合はアカウントも削除してしまいましたが、どれも非常に悪手でした。そうではなく、仮に、『ネット上の行き過ぎた正義感はどうなの?』という思いがあったのなら、当該ツイートを消さずに『言い方がまずかった』として、挑発的ではない表現で、信念はそのままで再度ツイートすべきだったのです。こうすれば、ネット上でそれ相応の数の同調者が現れたでしょうし、巻き返すことが出来た可能性すらあったと思います。言い直しをせず、ツイートをすぐに消してしまうというのは、『自らに信念がなかった』と言うようなものであり、炎上した際の対応としては非常に良くないのです」

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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