楽天「538勝ローテ」は期待外れか もはや衰え隠せず?4本柱で「貯金ゼロ」の悲しい現実

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   首位・オリックスに1.5ゲーム差の好位置につけている。だが、その戦いぶりは安定していると言い難い。6月上旬から6連勝、7連敗の後に4連勝、引き分けを挟んで再び5連敗と出入りが激しい戦いが続いた。

  • 田中将大(写真:AP/アフロ)
    田中将大(写真:AP/アフロ)
  • 田中将大(写真:AP/アフロ)

「絶対的エースがいないのが実情」

   スポーツ紙デスクはこう分析する。

「楽天は戦前の下馬評が高かった。田中将大が8年ぶりに復帰し、先発陣は涌井秀章、岸孝之、則本昂大と豪華なメンバーで、ソフトバンクの対抗馬に挙げられていました。ただ、岸は36歳、涌井は35歳、田中は32歳、則本は30歳と決して若くない。全盛期の力と比べると各投手とも少し力が落ちる。ゲームメーク能力は高いですが、相手をねじ伏せる絶対的エースがいないのが実情です」

   実績だけを見れば12球団で断トツだ。昨年までに挙げた白星を見ると、田中が日米通算177勝、涌井がNPB史上初の3球団で最多勝を達成するなど通算144勝、岸が通算132勝、則本昂が通算85勝。4人合わせて計538勝をマークしている。

   ただ、実績だけで白星が計算できるほど甘くない。今季の成績は田中が4勝5敗で防御率2.86、涌井が6勝6敗で防御率4.69、岸が4勝6敗で防御率3.65、則本が7勝4敗で防御率3.45。田中は打線の援護に恵まれていない点も配慮しなければいけないが、4投手全員が飛び抜けて良い数字ではない。4投手の勝敗をあわせると21勝21敗で、貯金が作れていない。

首位オリは山本・宮城の「Wエース」が牽引

   対照的なのが昨年の最下位から一転、首位を快走するオリックスだ。今季は5月下旬の4連敗がワーストで安定した戦いぶりを見せている。その原動力が山本由伸と宮城大弥のダブルエースだ。山本は9勝5敗、防御率1.65、宮城は9勝1敗、防御率2.10と抜群の安定感を誇る。両投手が登板する試合は高い確率で白星を計算できるため、連敗に歯止めがかかる。

   楽天は「黄金の先発4本柱」が五輪の中断期間を経て、リーグ戦再開後にトップギアを入れられるか。20代の時のように力でねじ伏せる投球は難しいが、経験に裏打ちされた投球術で打者を打ち取る能力に長けている。

   シーズン途中に巨人から金銭トレードで獲得したベテラン・炭谷銀仁朗もポイントになる。今月に加入後、先発マスクをかぶった試合は3勝1敗1分とチームに落ち着きをもたらしている。13年以来8年ぶりの頂点へ。後半戦は大型連敗をしないことが優勝争いのカギを握るだろう。

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