1足1000円の靴下は高すぎるのか 「靴下屋」が価格競争に付き合わない「本当の理由」

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吹き荒れる価格競争の風

   J-CASTニュースの15日の取材に応じたタビオの広報は、今回のツイートに至った経緯について、

「(価格競争自体は)企業としての努力・戦略なので、全く問題ないのですが、片方で『価格競争が正義』となり、その価格というのが『普通』になってしまう事に危機感を感じました」

と答えた。価格競争を巡っては、20年11月にも「日本の靴下産業は風前の灯」とツイートするなど、過去にも訴えたことがある。

   危機感を持つに至った背景には、何があったのか。広報によると、「靴下業界はアパレルの中でも早い段階から価格競争の風が吹き荒れた」という。

   ファストファッションの普及に伴い、低価格帯品の市場占有率が増えた。このゾーンでの競合が激しくなったことで、商品の出荷価格が低下し、国内生産では採算が合いにくくなった――靴下業界で起きたことについて、このように広報は説明する。

   また、仕入れ先がより供給コストの安い海外に生産スペースを移すなどしたことで、国内工場が事業展開の基盤を奪われ、国内工場の転廃業が進んだ。

   広報によれば、パンティストッキング類も含む靴下生産業界全体の業者数は、ここ30年ほどの間にぼぼ1/4まで規模が落ち込んだ。ソックス類だけを見ても、国内市場で販売されている全数量に占める国産品の割合は、1990年には85%強あったものが、2020年にはほぼ10%まで低下したそうだ。

   これに伴って、靴下生産に付随する各業種の業者の間でも淘汰が進んでいるという。

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