「バブル方式」すでに崩壊?五輪関係者「プレーブック違反」報道 バッハ会長「報告届いていない」、丸川大臣「早急な改善を」

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   東京五輪・パラリンピックで新型コロナの感染対策として導入される「バブル方式」を巡る報道に波紋が広がっている。

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ルール違反者は参加資格のはく奪や国外退去の強制措置も

   NHKは2021年7月14日放送の「おはよう日本」で、東京五輪・パラリンピックで、関係者が外部との接触を避ける「バブル方式」について報じた。「五輪『バブル方式』どう守る?」のタイトルでコーナーが設けられ、記者による海外五輪関係者への取材映像を放送した。

   コーナーの冒頭では、ウイルスの感染防止に必要なルールがまとめられ、選手、メディア関係者などに向けて作成された「プレーブック」について説明。メディア関係者向けは60ページ以上もあり、日本に滞在中の行動に関してルールが定められているという。

   メディア関係者向け「プレーブック」では、入国後14日間は公共交通機関を使用できず、競技会場やあらかじめ提出した用務先しか行けないことになっているという。これに違反した場合は、参加資格のはく奪や国外退去の強制措置もありうるとしている。

   番組では、大会期間中に各国放送局の拠点となる東京・江東区にある国際放送センター(IBC)近くで取材した映像を放送した。

「プレーブック」未読のメディア関係者も

   現場で取材に応じたアメリカのメディア関係者は、来日後の行動に関して「14日間は仕事をしたらすぐにホテルの部屋に戻るだけ」と答えたが、オランダのメディア関係者は、「プレーブック」をまだ読んでいないことを明かし、「(今から)IBCまでどのくらいか見に行くところです」と答えた。

   また、取材班は東京・中央区の築地に出向き、アフリカから来日した五輪関係者を取材。記者がいつ入国したのかを問うと、「今朝の2時」と来日したばかりだと明かし、「今日は仕事がない日でこの地域に何があるか見に来ました」と続けた。さらに散策の理由について「ずっとホテルの中にいたのでちょっと足をのばそうと歩いているだけ」と説明した。

   番組によると「プレーブック」では、14日間以内の観光は禁止されており、散歩も認められていないという。

「バブル方式はじけましたね」

   元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子さんは14日にツイッターで、同番組で放送された内容について次のように指摘した。

「NHKニュースで、築地を散歩しているアフリカからの五輪関係者に取材、『いつ日本に到着?』『けさ2時だよ。ホテルにずっといるけど、ちょっとどんなものが近所にあるのか散策』って。。。グダグダではないか」

   フォロワーからは「グダグダすぎて憤りを感じます」「予想していた通りですが怖いですね」「バブル方式はじけましたね」「完全にザルじゃないですか」など「安心安全」を目指す五輪開催を不安視する声が上がった。

   また、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は14日、「プレーブック」違反者の有無について言及した。

バッハ会長「違反があったとの報告は届いていない」

   スポーツ各紙の報道によると、バッハ会長はこの日午後、官邸を訪れ菅義偉首相と面会。そして面会後に報道陣から「『プレーブック』が守られていないとの報道もある。リスクがすでに日本に持ち込まれているのでは。約束違反では」と指摘されるとバッハ会長は次のように答えた。

   「日本国民にリスクとなるプレーブック違反があったとの報告は私のところには届いていない」と違反者の存在を否定し、「大会に参加するひとたちは何度も検査を受ける。検査体制はしっかり効力を発揮し成功している」と述べた。

   一方、丸川珠代五輪相は15日の参院内閣委員会の閉会中審査で、海外から来日している大会関係者が「プレーブック」を遵守していないとの報道について、「組織委員会において早急に対象者を特定、把握し、アクレディテーション(大会参加証)はく奪など厳格な処分を行うこと、宿泊施設に配置する監督者の体制強化を図るとともに、厳格な運用を行うこと(中略)について早急な改善を図るよう求めた」と述べた。

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