国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)の「チャイニーズピープル」発言が波紋を広げている。
バッハ会長は2021年7月13日、都内で東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)と面会した。
米メディア皮肉たっぷりに発言報じる
バッハ会長は7月8日に来日してから初めて公の場に姿を見せ、コロナ禍での「安心安全」な五輪開催をアピールしたいところだったが、思わぬ形で世界中から注目を浴びてしまった。
会談の中でバッハ会長は「我々は万人にとって安全安心な大会を目指しますと常に言ってきた」とアピールするも、続くコメントの中で痛恨の言い間違いをした。
バッハ会長は「選手にとって、選手団にとって、そして最も大事なのはチャイニーズピープル(中国人)」と語ったところでミスに気付き、すぐに「ジャパニーズピープル(日本人)」と言い直したが、こうしたバッハ会長の発言を海外メディアが速報。世界中から注目を集めることとなった。
米ワシントンポスト紙(WEB版)は13日に「東京でオリンピックサイズの失言」との皮肉を込めたタイトルで記事をアップした。
英メディア「恥ずかしい失言」
記事では過去にバッハ会長の発言が日本国内で反発を招いたことを指摘し、今回、日本人を中国人と言い間違えたことで、バッハ会長のイメージ悪化に拍車をかけたと伝えている。
英紙「ガーディアン」(WEB版)は、バッハ会長が日本人を中国人と言い間違えたことで、五輪開催を歓迎しないホストを味方につけようとする試みは恥ずかしいスタートとなったと報じ、英メディア「インデペンデント」(WEB版)はバッハ会長の発言を「恥ずかしい失言」としている。
安心安全の五輪開催をアピールする場で「失態」を犯したバッハ会長。国連で採択された「五輪休戦決議」の期間が始まる16日には被爆地の広島を訪問する予定でいる。