カジュアルな着物として打ち出す店も
レース浴衣のレンタルが広まった背景に、コロナ禍の影響をあげる企業もある。着物レンタルサービス「きものレンタルwargo」で知られる和心(東京都渋谷区)は2021年7月1日にレース浴衣のレンタルを開始した。その背景をこう述べる。
「『きものレンタルwargo』は、2014年オープンよりインバウンド観光客をメインターゲットとしてきましたが、昨年からのコロナ禍の影響によりインバウンド顧客の流入がほぼゼロになったため、日本人10代~30代にターゲット層を変更しました。 そのため新たなターゲット層に向けた浴衣デザイン導入の必要性が高まり、2021年春夏トレンドであるレース素材を取り入れた『レース浴衣』を新作として打ち出すことを決めました」
和心は、日常的に着物を楽しみたい若い日本人女性をターゲットに「レース浴衣プラン」を展開した。レース浴衣は、「ワントーンのレース生地一枚から作られているため、日本人10~30代女性のファッショントレンドである『ワントーンコーディネート』を浴衣で作ることができる」という。
「浴衣や着物は観光地でレンタルするというイメージが定着していましたが、コロナ禍で地元を探索する人が増え、身近にあるレンタル店で浴衣や着物を着てまち歩きを楽しむという習慣がここ最近定着しつつあります。そういった人向けに積極的に浴衣や着物を着ていただきたいと考えています」
同社ではホワイト、ブラック、ピンク、カーキ、ボルドー色など全10種類のレース浴衣を揃えた。小物としては、ドライフラワーのヘアアクセサリーやビジューバッグなどを用意し、「大人可愛い」をテーマにしている。着付けとヘアアクセ・バッグなどの和小物はレンタル料に含まれており、5500円(税込み)で借りることができる。
さっそくレース浴衣を借りた人々からは、こんな声が寄せられたという。
「夏らしい、シースルーが程よい肌見せで大人っぽい!(東京浅草店)」
「レース浴衣のInstagramを見て同じコーデをしたくて来ました。(京都タワーサンド店)」
「浴衣がレース素材になっている!涼しげで可愛いいしとても気に入りました。(金沢香林坊店)」
和心は「和を扱う会社として今回のレース浴衣のように『和』に触れる機会を創出していきたい」と意気込んだ。
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)