欧米の消費者団体が問題視
利用者の不利益となるような行動を促すサイト設計は、「ダークパターン」と呼ばれる。ユーザー・エクスペリエンス(UX、ユーザー体験)の専門家である英のハリー・ブリグナル氏が命名した。
ブリグナル氏はJ-CASTニュースの取材に、次のように解説する。
「ダークパターンとは、消費者が理解していればしなかったであろう行動などを完了させる、ソフトウェアの操作的・欺瞞的なトリックです。例えば、クリックすると『YES』と機能するボタンを、配置や色、言葉のトリックを使って『NO』に見えるようにした場合、多くの消費者が騙されることになります]
「そのため、意図せずに購入や共有をしてしまったり、利用規約に同意してしまったりすることがあります。また、自分がやろうとしたことが難しく設計されているために、し損ねることもあります。例えば、有料定額サービスを解約しようとすると、惑わせる選択肢と長い手順を迫られるケースです」
ブリグナル氏はダークパターンを12に分類し、ディズニープラスの解約フローのような設計を「Roach Motel(ゴキブリ捕獲機)」と呼んでいる。
ダークパターンをめぐっては今年1月、アマゾンの会員制サービス「Amazon Prime」の解約方法が複雑だとして、欧米の消費者団体が相次いで規制当局に苦情を申し立てた。
3月には、米カリフォルニア州が消費者プライバシー法(CCPA)にダークパターンを禁止する規則を盛り込んだ。ワシントン州でも法規制が検討されている。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)