日本人への差別発言で謝罪したサッカー・フランス代表のウスマン・デンベレ、アントワーヌ・グリーズマン両選手について、フランス人YouTuberのアマンディーヌさんが持論を展開した。
「アジア人に対してだけでなく全世界に対する差別」
問題の発言は、2人が2019年夏に来日した際に飛び出した。日本人の容姿や言語への侮辱的な発言を収めた動画がSNSで拡散し、両選手は6日、差別発言について謝罪した。
グリーズマン選手はツイッターに「日本の友人たちを怒らせてしまったなら申し訳ありません」(編集部訳)などと投稿。デンベレ選手は「この動画が人々を傷つけるかもしれないと理解しています。だから、私は彼らに心から深く謝罪したいです」(同)などと書いた文章を、インスタグラムのストーリーに投稿した。
アマンディーヌさんは2021年7月7日、ユーチューブチャンネル「ボンソワールTV BonSoirTV」で、この対応への見解を語った。
「完全に私の個人的な意見になりますので、フランス人が全員こんなふうに思っているわけではないのでご了承ください」と前置きした上で、デンベレ選手について
「謝罪文を、そもそもインスタのストーリーに載せる意味があるのか」
と発言。「たくさんの人に長く見てもらいたい内容なのに、インスタのストーリーって24時間で消えるもの」と謝罪方法に疑問を呈している。
続けて、「一番ショックだった内容は、『どこの国でも同じ表現を使う』というところと、『友達と一緒にいるときも同じ表現を使う』って(ところ)。日本人に対してだけじゃなくて、他の国の人にも"ひどい顔"とか、"なんだこの言語"とか、そういう差別の発言は、アジア人に対してだけでなく全世界に対する差別」と切り捨てた。
「全員がこういう人間ではありません」
また、両選手に共通する問題として、謝罪文で『相手が傷ついてしまった場合』との旨の言及をしていた点を挙げた。
「(動画に映った本人だけでなく)日本人やアジア人の方々は傷ついてしまったに決まっている。こういう動画のせいで、フランスのイメージが悪くなったり、フランス人は差別発言をするし、謝罪するより言い訳で逃げていると決めつけられてしまうのはとても悲しいことだと思っています」
フランスではアジア人に限らず外国人への差別はあるとしつつ、「フランス人も悪いところはありますが、全員がこういう人間ではありません」と強調した。
アマンディーヌさんは今回の件について「私自身も悲しいですし、皆さんにお詫びしたいと思います」と頭を下げた。
コメント欄には、
「こう言ってくれる人がいたら良いなってことが聞けて、いてくれてよかったって思いました」
「こういう差別はなくならないとは思うけど、一方で日本を好きでいてくれる外国人も沢山いるのがこうやって分かると思えば悪くない時代だと思う」
とアマンディーヌさんへの感謝を伝える日本語の書き込みが少なくない。