東京五輪「無観客化」の弊害 チケット収入900億円は大幅減...舛添氏「穴埋めは日本国民の税金で」

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   東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は2021年7月8日、国際オリンピック委員会(IOC)、政府、東京都などと5者協議をオンラインで行い、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で開催される競技全てを無観客で行うことで合意した。

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900億円のチケット収入の行方は...

   当初、東京五輪は会場の収容定員の50%以内で1万人を上限とすることを原則に観客を入れて開催する方針だったが、新型コロナウイルスの感染拡大や、東京都への4回目となる緊急事態宣言の発令決定などを受けて方針を転換した。

   5社協議による無観客の合意の一報は、海外メディアも速報で伝えニュースは世界中に拡散した。

   米ニューヨーク・タイムズ紙は、新型コロナウイルスの感染者急増を巡り東京に緊急事態宣言が出されることを受け、「オリンピック主催者はほぼすべての観客を禁止した」と伝えた。また、英紙ガーディアンは、朝日新聞が行った世論調査を引用し「観客を禁止する決定は日本の国民によって支持されている」としている。

   首都圏の会場が無観客となることで、チケット収入の問題が浮上する。東京五輪・パラリンピックでのチケット収入は約900億円が見込まれていただけに、今回の決定によりチケット収入が当初の予定を大幅に下回り、大会組織委員会が赤字になる可能性は高い。

ツイッターでは「選手がかわいそうだ」の声も

   メディア報道によると、丸川珠代五輪相は9日、閣議後の定例会見でチケット収入の損失による費用負担について明言を避け、「組織委でチケットも含めた収入の精査に加え、支出面もさらなる経費の精査を行っていくべきものと認識している」と話すにとどめたという。

   東京五輪の無観客開催は、大会に出場を予定していた代表選手にも大きな影響を与えた。

   男子テニスのオーストラリア代表のニック・キリオス(26)は9日にツイッターを更新し、東京五輪に出場しない意向を表明した。オーストラリア代表として五輪に出場するのが夢だったというキリオスは、無観客で開催される五輪に「違和感」があるとして不参加を決めた。

   チケット収入の大幅減、代表選手の参加辞退など、様々形で無観客開催による「弊害」が露呈しているなか、ツイッターでは「1都3県の無観客は当然」「赤字補填はどうするの?」「選手がかわいそうだ」など様々な声が上がっている。

堀江氏「ノイジーマイノリティに負けたな」

   著名人では、前東京都知事の舛添要一氏が8日にツイッターで持論を展開している。

   「東京五輪の放映権を持つアメリカのTV局NBCも、東京の会場で無観客開催となったことを早速報道。観客の有無はNBCの稼ぎとは何の関係もないので、NBCにとっては痛くもかゆくもない。チケット収入900億円の穴埋めは日本国民の税金で行うことになる」との見解を示した。

   また、実業家の堀江貴文氏は9日にツイッターを更新し、「東京五輪 1都3県の競技は無観客 宮城、福島、静岡は観客ありで開催へ」とのタイトルで東京新聞が報じたニュースをシェアし、「ノイジーマイノリティに負けたな」とコメントを投稿した。

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