支援物資いりません...熱海市が「苦渋の決断」 背景には何が?市が明かす被災地の現状

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   土石流で大きな被害を受けた静岡県熱海市は2021年7月7日、寄せられる支援物資の受け入れを一時休止すると発表した。

   市の観光建設部の担当者は「心苦しい」と吐露する。なぜ、苦渋の決断となったのか。背景には送り手が思う「必要そうなもの」と「実際に必要なもの」とのギャップがあった。

  • 捜索活動がおこなわれている熱海市(2021年7月5日、写真:Abaca/アフロ)
    捜索活動がおこなわれている熱海市(2021年7月5日、写真:Abaca/アフロ)
  • 熱海市が出した「支援お断り」のお知らせ(熱海市公式サイトより)
    熱海市が出した「支援お断り」のお知らせ(熱海市公式サイトより)
  • 捜索活動がおこなわれている熱海市(2021年7月5日、写真:Abaca/アフロ)
  • 熱海市が出した「支援お断り」のお知らせ(熱海市公式サイトより)

「食事の提供も、飲料の提供も...」

「大変心苦しいところではありますが、一度支援物資のご提供(ご支援)をご遠慮させていただきます」
「みなさまからのご厚意をこのような形でご不快の念をおかけいたしまして、大変申し訳ございません」

   7月7日11時20分、熱海市は公式サイト上で「支援物資についてのお知らせ」と題した文書を掲載。市に寄せられる支援物資について、受け入れを一時休止するとした。

   理由の一つは「保管場所の確保困難」だ。熱海市の担当者によると、寄せられた物資は市役所の会議室に集めているものの、それが溜まっている状況にあるという。

   市は7月5日、生鮮食品や消費期限の近い食料品、使用済みの日用・衣料品など、一部物品の受け入れを断る「お知らせ」を公式サイト上に掲載。理由として、「食料品用の温度・湿度管理が行えない保管場所である」「膨大な業務を、限られたスタッフで実施している」などを挙げていた。

   ただ、受け入れを制限しても、会議室内の物資はなかなか減らなかった。多くの避難者が、設備の整った市内のホテルに滞在し、物品が消費されなかったためだ。今回物資の受け入れ休止を決めた、もう一つの理由でもある。

「食事の提供も、飲料の提供も、ホテルでしていただいております。今の段階で避難された方が必要としている物資は、ほとんどありません」(熱海市の担当者)
姉妹サイト