豚汁の読み方は「とんじる」か、「ぶたじる」か――。HKT48を卒業した宮脇咲良さんのツイートをきっかけに、こんな論争がネット上で沸き起こっている。
「おばぁちゃんが『ぶたじる』って言っててびっくり」
宮脇さんは2021年7月4日、ツイッターで出身地の鹿児島に帰省したことを報告し、
「おばぁちゃんが『ぶたじる』って言っててびっくりした...お母さんも鹿児島は『ぶたじる』って呼ぶよって...」
と、「豚汁」の読み方について言及した。
宮脇さんの母親は、個人の経験として、鹿児島では「ぶたじる」呼びがメジャーだと話したようだ。しかし、宮脇さん自身は「とんじる」派だそうで、「じゃあ私はどこで『とんじる』になったんだ...」とつづっている。
この投稿が、九州出身だというユーザーを中心に反響を呼んでいる。
「私も鹿児島だからぶたじるです」
「九州出身の母は豚汁=ぶたじると言ってたよー」
という「ぶたじる派」と、
「うちも鹿児島出身だけど『とんじる』って言うよ!!!」
「私も鹿児島だけど、ぶたじるの記憶はあまりないです」
という「とんじる派」で意見が割れているようだ。そのほか、九州だけでなく全国各地のユーザーからも、豚汁の読み方に関する投稿が数多く寄せられていた。
では、それぞれの地域では、豚汁をどう呼んでいるのだろうか。
この「豚汁読み方論争」について、J CAST ニュースの姉妹サイトで地域情報を扱う「Jタウンネット」が過去に全国調査を行っていた。
「とんじる・ぶたじる」全国分布図
2014年2月13日から20日にかけて、Jタウンネットが行った「『豚汁』『豚丼』なんて読む?」という都道府県別アンケートには3913票の回答が集まった。
そのうち「とんじる」と答えたのは全体の68.5%を占める2679人だった。アンケートによると、全国的には「とんじる」がメジャーなようだ。
今回は、過去のアンケート結果を元に、改めて「都道府県ごとの総得票に対する、最も多く選ばれた回答の割合」によって色を分けた全国分布図を作成した。「ぶたじる」が多い地域は赤や黄色に、「とんじる」が多い地域は青や水色で塗っている。
図を見ると、東日本では北海道を除き、圧倒的に「とんじる」が多数派だ。今回話題となったツイートのリプライにも、「関東では『とんじる』としか聞いたことないかな」などと、関東出身者はそもそも「ぶたじる」呼びを知らない、とする反応も寄せられている。
一方、話題の中心となっている九州はどうだろう。
福岡や大分など、北部は「ぶたじる」派が目立つが、全体的には入り混じっている。宮脇さんの出身地・鹿児島も「とんじる」派が57.9%で上回っているものの、ほとんど拮抗している状態だ。なお、九州7県全体の「ぶたじる」率は68%で、全国平均の31.5%を大きく上回っている。
ちなみに、祖母も母も「ぶたじる」派の宮脇さんが「とんじる」呼びになった理由について、ツイッターでは「東京に来るようになってからじゃないかな」などと、環境の変化によるものではないか、と推測する声が上がっている。