共産支持層の77%が立憲候補者、立憲支持層の51%が共産候補者に投票
志位氏は、候補者調整がとりわけ機能した選挙区として、共産が勝った2人区の文京区、日野市、3人区の豊島区、北区(3人区)を挙げ、
「立憲民主党さんの側からいろいろな支援もいただいたし、私どもの方から支援した場面もあった」
とも述べている。立憲支持者が共産候補者を支援し、その逆もあったようだ。朝日新聞が7月5日の朝刊に掲載した出口調査の結果によると、共産の候補者がいない7つの選挙区では、共産支持層は77%が立憲の候補者に投票。一方で、立憲が候補者を立てなかった12選挙区では、立憲支持層は51%が共産の候補者に投票している。
衆院選に向けた取り組みについても、志位氏は
「実質的な共闘が進んだと思うので、そういう信頼関係も大事にして次につなげたい」
と前向きな姿勢を示した。
一方、立憲の福山哲郎幹事長は、衆院選は小選挙区が主戦場になることを念頭に、候補者一本化について
「野党が一本化して候補者を立てれば、それなりにまとまった票が野党側の候補者に出る可能性があるので、一定の政権選択の可能性が広がると考えている。一方で、それぞれの野党は、自身の主張もあるだろうし、選挙はそれぞれが戦わないといけないので、その中のギリギリの調整を、どうしていくかが、これからのカギになると思う」
などと述べている。
共産との候補者調整については次のように述べた。可能な限り調整を進めたい考えだが、「全部を調整はおそらく無理」とも前置きしており、志位氏の発言とは温度差がある。
「国民(民主党)さん、社民さんとまずは選挙区調整をして、ぶつからないようにしていきたいと考えているし、その後に、共産党さんと、今ぶつかっている60前後のところも、全部を調整はおそらく無理だろうが、いくつかのことを調整することによって、一本化された野党の候補者と今の自民党、という形での構図を作っていくことは非常に重要だと思う」
立憲の支持団体である連合は、過去に共産と対立してきた経緯があり、立憲-共産の接近に対する警戒感が強い。こういった点も念頭においているとみられる。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)