都議選「野党共闘」の成果は? 立憲・共産ともに善戦も...浮き彫りになった両党の「温度差」

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   2021年7月4日に投開票された東京都議会選挙(定数127)では、小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が減らした議席を、他の政党で分け合う構図になった。

   議席の伸びが目立ったのは立憲民主党で、告示前は8だった議席を倍近い15に伸ばした。1~3人区の一部で行った共産党との候補者調整が奏功したとみられる。逆に、両党が候補者を立てた選挙区では「共倒れ」になるケースもあった。都議選は衆院選に向けた試金石ともいえ、候補者調整を急ぐ必要性が改めて浮き彫りになった。

  • 都議選での「野党協力」は衆院選にどうつながるのか
    都議選での「野党協力」は衆院選にどうつながるのか
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共産、立憲との協力なければ「現有(議席数)の確保は、なかなか難しかった」

   都議選では、都ファが告示前の45議席から31議席に減らし、第1党の座を自民党に明け渡した。ただ、17年に都民ファに惨敗し、今回は議席を大幅に伸ばすとみられていた自民党は伸び悩み、獲得したのは33議席にとどまった。選挙協力した公明党の23議席と合わせても過半数に届かなかった。

   共産党は19議席を獲得、告示前の18議席から1議席伸ばした。志位和夫委員長は大勢判明後の記者会見で、

「現有議席の確保なので、重要な勝利と言っていいのではないか」

と結果を評価した上で、立憲との協力がなければ

「我が党については、現有(議席数)の確保は、なかなか難しかったと思う」

と話した。

   両党の候補者調整は、どの程度の効果があったのか。対象になったのは、1~3人区の一部だ。7つある1人区では、小金井市、青梅市には両党が公認候補を立てず、そのうち小金井では両党などが推薦する候補者が当選。残る5選挙区では統一候補が擁立され、武蔵野市で立憲の五十嵐衣里氏が当選。「1勝4敗」だ。

   2人区は15ある。そのうち北多摩第二では両党が公認候補者を擁立せず、立憲などの推薦候補者が当選している。港区、西東京市、南多摩の3選挙区では両党が競合。いずれも「共倒れ」した。ただ、候補者が一本化できた残りの11選挙区では「7勝4敗」だった。

   7つある3人区では、4選挙区で候補者を一本化。そのうち3区で統一候補が当選している。残り3選挙区は、共産のみ当選、立憲のみ当選、双方落選だった。

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