政府が新型コロナウイルス感染防止対策として、首都圏など10都道府県に2021年7月11日までの期限で適用している「まん延防止等重点措置」を延長する調整に入った、と報じられた。
東京五輪は7月23日に開幕するが、この期間も適用される可能性が高いとみられている。
「感染爆発するリスクがあるのに...」
背景にあるのが、感染者数の増加だ。7月2日の東京都の新規感染者数は660人。13日連続で前週の同じ曜日を上回り、感染爆発とされる「ステージ4」が目前ともされる状況だ。首都圏の神奈川、千葉県でも感染状況が悪化している。
都内に勤務する医療従事者は、「政府が感染拡大を防止する政策にビジョンが見られない」として、次のように訴える。
「緊急事態宣言、まん延防止等重点措置も場当たり的に延期、延期にしているので国民の感覚も麻痺して明らかに自粛疲れが見える。街に繰り出している人の数も増えているし、今後も感染者は増えるでしょう。
そんな状況で五輪を開催して海外から多くの人が来ることで、強力なコロナ株が蔓延する恐れがある。感染爆発するリスクがあるのに、五輪を開催するなんて正気の沙汰ではないです」
五輪開催まで1か月を切ったが、反対の声は依然として多い。
コロナ禍で行動が制限されている中、「平和の祭典」である五輪が開催されることに違和感を持つ人が多いのは当然かもしれない。開会式まで3週間を切ったが、SNSでは
「なぜこんな大変な状況をおして五輪・パラリンピックを強行しなければならないのか」「まん延防止延長じゃなくて、東京五輪中止だろう」
と疑問の声が止まない。こうした国民の声を政府はどう受け止めるか。
(中町顕吾)