都選管「配慮を求めたら、候補者の権利侵害で選挙妨害になる」
選挙カーによるクレームについて、東京都選挙管理委員会の選挙課は7月2日、J-CASTニュースの取材に、「普段の選挙から多いですが、音量のせいでテレワークやウェブ会議に支障が出た、商談がうまくいかなかった、という理由が確かに増えています」と認めた。
各候補者に対し、都が推進しているテレワークへの配慮を求めるかどうかについては、こう話した。
「公選法で決められていて、選挙カーで大音量を流さないでとは言えません。もし配慮を求めたとしたら、候補者の権利を侵害し、選挙妨害になります。それで落選したとすれば、選挙も無効になりますので、テレワークへの配慮は今のところ何もないです。1自治体としては、法律通りにしか運用できません」
配慮を求めるとすれば、法的な根拠が必要になるという。
「国が法改正するか、特例法を作るかすれば、話は別ですが、私どもは何も聞いていません。総務省には、機会があれば伝えたいとも思っていますが、選管としては何も決まったものはありません」
これに対し、総務省の選挙課は2日、選挙カーなどへのクレームのとりまとめはしていないとしたうえで、取材にこう説明した。
「公選法では、何デシベル以上はいけないといった音量などの規制はなく、運動している方の判断になります。テレワークへの配慮を求めることは、検討しておらず、事務通知も特に出していません。国会議員で考えている方がおられるかもしれませんので、今後のことは分かりませんが、テレワーク対策といった話は承知していません。公選法改正や特例法は、現時点では検討しておらず考えていません」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)