進退かかる横綱白鵬は「5日目までが勝負」 序盤つまずきは命取りか...黒星先行で場所中引退の例も

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   大相撲の横綱白鵬(36)=宮城野=が進退をかけて名古屋場所(4日初日・ドルフィンズアリーナ)に臨む。

   日本相撲協会は2021年7月2日に取組編成会議を開き、名古屋場所初日、2日目の取組を決めた。横綱白鵬は初日に新小結・明生(25)=立浪=、2日目に前頭筆頭・遠藤(30)=追手風=を迎え撃つ。

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角界関係者「序盤戦で負けが込むようなら...」

   6場所連続休場中の白鵬は相撲人生をかけて名古屋場所の土俵に立つ。昨年11月の九州場所は2場所連続の全休となり、場所後には横綱審議委員会から「引退勧告」に次ぐ重さの「注意」決議を受けた。今年1月の初場所も全休し、再起をかけて3月の春場所に出場するも痛めていた右膝の悪化で途中休場。3月に右膝の手術を受け、名古屋場所に照準を定めて5月の夏場所を全休した。

   復帰場所とはいえ、出場するからには横綱としての責務が求められる。勝敗に関して明確な数字の提示はないものの、15番取り切って優勝争いにからむことが横綱として果たすべき最低限の責務となるだろう。

   スポーツ各紙の報道によると、師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)は白鵬の右膝について以前と比べて痛みが軽減していることを明かしたという。

   名古屋場所は途中休場した3月以来の本場所ということで、序盤の相撲内容が注目される。角界関係者は「5日目までが勝負になるだろう。序盤戦で負けが込むようなら最後まで持たないかもしれない。とにかく早い段階で白星がほしいところ。衰えがあるとはいえ他の力士とは経験値が違う。なんとか序盤戦を乗り切ればその先が開けてくるだろう」と語った。

稀勢の里は初日から3連敗で引退へ

   まさに背水の陣となる白鵬だが、過去の横綱はいかなる状況で引退を決意したのか。2000年以降に引退した横綱の中には、序盤でつまずき黒星が先行して場所の途中で引退を発表したケースもみられる。

   直近でいえば、稀勢の里が19年の初場所で初日から3連敗を喫し、4日目に引退を表明。3代目若乃花は00年春場所の5日目に栃東に敗れ2勝3敗となり、この相撲を最後に引退した。03年に引退した貴乃花と武蔵丸はともに中盤まで粘りながらも、貴乃花が初場所8日目に、武蔵丸は九州場所7日目の黒星が決め手となり千秋楽まで相撲を取り切ることなく引退した。

   懸念された右膝の状態が回復したとはいえ、実戦不足による不安は隠せない。果たして名古屋場所は白鵬の復活場所となるのか、それとも引退を決断する場所となるのか。史上最多44回の優勝を誇る横綱の進退をかけた戦いは4日に幕を開ける。

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