レジ袋有料化から1年、いまだ根強い批判 「操業停止」で苦境に追い込まれたメーカーの声

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   小泉進次郎環境相の下でレジ袋が有料化して1年が経ったが、果たして効果があったのか疑問視する声も多い。

   そんな中で、レジ袋のメーカーは、操業停止などの厳しい状況に置かれている。セブン‐イレブンなどにレジ袋を提供してきた創業1905年の老舗「スーパーバッグ」(本社・東京都豊島区)に話を聞いた。

  • 小泉進次郎環境相はどう考えるのか(2017年撮影)
    小泉進次郎環境相はどう考えるのか(2017年撮影)
  • 小泉進次郎環境相はどう考えるのか(2017年撮影)

「有料化による短期的なインパクトは否定できない」

   有料化からちょうど1年になる2021年7月1日、小泉氏は、自らのブログを更新した。

   しかし、そのタイトルは、「環境庁創設50周年を迎えました」。同庁発足時の看板を両手にした小泉氏は、ご満悦な表情だったが、ブログでは、レジ袋や今後導入が検討されているプラスチック製スプーンなどの有料化には触れずじまいになっている。

   この1年で、レジ袋を使わなくなる人が増え、大手コンビニ各社の調査で辞退率は7割超に達した、と報じられている。

   そのあおりを受けたのが、レジ袋のメーカーだ。

   前出のスーパーバッグは、有料化などの影響で収益が大幅に減少し、ポリ袋を製造する子会社の中土製袋所(富山市)の操業をゴールデンウイーク前に停止する、と3月11日に発表した。同時に従業員の解雇予定も明らかにし、27人が解雇される見通しと報じられた。

   有料化の打撃を大きく受けており、そのことが6月29日にツイッター上で紹介されると、2000件以上のリツイートに達するほどの話題になった。

   「環境のことを色んな人が知り、考えるきっかけを与えた」との指摘もあったものの、「ゴミ袋用で必要だし、結局買う」「何か環境への負荷が減ったのか?」「人災だ・・・」と政策を疑問視する向きも多く、その効果について小泉氏に説明を求める声は多かった。

   有料化1年で、レジ袋メーカーの状況は、どうなっているのだろうか。

   スーパーバッグの管理本部長は7月1日、J-CASTニュースの取材に答え、「有料化による短期的なインパクトは否定できません」と明かした。

「ニーズに合わせることが重要で、国を恨んだりしない」

「レジ袋のシェアが減って、中国工場の稼働率も下がり、規模を縮小せざるを得なくなっています。レジ袋や紙袋は、主力製品でしたが、有料化に伴って、紙袋を有料にするところも出てきたのは想定外でしたね。新型コロナウイルスの感染拡大で業績悪化などの影響も出たのではと思います。海外からや東京でのお土産の需要が減って、百貨店などの売り上げが落ちてきています。昨年度は、営業赤字が出てしまいました」

   ただ、有料化そのものについては、環境を重要なファクターとする世界的な流れもあると一定の理解を示した。

「国にこうしてほしいというよりも、会社としては、消費者や企業のニーズや動きに即した商品を展開するのが重要だと考えています。マイバックや紙袋に向かうニーズの変化にうまく合わせた事業を検討しているところです。国を恨んだりすることはないですね。有料化の効果については、コメントする立ち位置におらず、専門家が考えてくれればと思っています」

   レジ袋は、有料化前から見て3割ぐらいのニーズはあり、飲食店の持ち帰り用や通販用などを拡販するなど一定水準の売り上げは見えてきたという。さらに、6月30日には、中期経営計画を発表し、その中では、3年をかけた「次世代パッケージ企業への転換」で黒字化を目指すとした。

「レジ袋を元の水準に戻すのは無理があり、紙袋や紙器にシフトしたり、単価の高いバイオ関連製品、海洋で生分解する新素材を使った製品を主力にしたりする努力をしていこうと考えています。リサイクルできる、環境に優しいパッケージにしていこうということです。赤字も見極められるようになってきて、今年度から黒字化に向けて収益をアップさせる計画にしています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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