秋田県自然保護課「最悪の場合は人身事故の可能性がある」
「自然公園法上は、ドローンの規制はなく、飛ばすのに環境省への連絡や届け出は必要がないです。ただ、一般的なマナーを考えると、他の登山者に危険があり、よくないことだとは思います」
国立公園内の国有林でドローンを飛ばすときは、管理する林野庁に入林届を出すことが必要になる。
同庁の秋田森林管理署は29日、取材に対し、駒ケ岳では、個人で楽しむ目的で入林届を時々受けるが、ツイートにあった27日にドローンを飛ばす届け出はないという。クマ関連のものは、把握していないとしている。罰則規定はないものの、入林届は出してほしいそうだ。
ただ、200グラム未満のドローンについては、航空法の規制対象外で、小型で軽量なものは入林届を出さなくてもいいという。
また、ドローンを飛ばす一部の登山道周辺は、仙北市教委の文化財保護室に許可を申請しなければならない。国の天然記念物に指定されている高山植物帯があるためだ。
同室は、30日の取材に対し、ドローンを飛ばした大焼砂付近の斜面は、指定されている範囲内にあると予測できると答えた。
「学術研究で写真を使いたいといったケースが多いですが、一般の方でもその範囲内なら申請が必要です。ここ2、3か月は、ドローンを飛ばす申請の事務処理はしていません。しかし、申請について把握していない一般の方も多く、意識が低いように感じています」
申請は、文化庁が月に1回開かれる審議会に諮って許可を出すのに2~3か月かかるため、早めに出す必要があるという。
秋田県の自然保護課は29日、ドローンでクマを追いやるような行為について、取材にこう話した。
「マナーとしては、好ましくありませんね。クマを刺激することになりますので、最悪の場合は人身事故の可能性があり、他の登山者がいるところでは危険だと思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)