「写真や動画を撮るための可能性もあり、注意すべきか迷った」
山岡さんらが見ると、成獣と見られるクマ1頭が、大焼砂分岐から横岳に向かう登山道下の向かい側斜面を歩いていた。27日は日曜日だっただけに、所々に登山者はいたが、馬場の小路にいた人たちは、クマから逃れるように場所を移動した。
そして、山岡さんらから見て小岳の方向に約30メートル先の同じ馬場の小路上に、若い男性2人組がおり、クマを見てドローンを飛ばしクマに近づかせた。
「クマを追い立てたのか、写真や動画を撮るためか、よく分かりませんでしたので、注意すべきか迷いました。クマは、斜面を横切って行きましたが、向かい側の登山道には出ずに、私たちから見て大焼砂分岐側の馬場の小路を横切り、藪の中に入って行きました。その間、10~15分ぐらいです。横切った場所には、幸い人がいませんでしたが、結果としてドローンでクマを追い立てた形になると思います」
男性らは、ドローンをしまって、小岳方向に進み、山岡さんらは、逆の大焼砂分岐に向かったため、話をすることはなかったという。
「クマを興奮させて、人に危害を加えることになれば、大変なことになります。人を襲うようなことがないよう、クマをそっとしておいてほしかったと思っています。最近は、駒ヶ岳でドローンを飛ばしている人が増えています。登山者にも迷惑になりますので、登山口には、ドローンはご遠慮いただくか、許可を得てもらうかなどを呼びかける看板を付けた方がいいのか、県や環境省と相談したいとも思っています」
ツイッターの投稿者も30日、取材に答え、男性らに注意したくてもできない状況だったと説明した。
「クマが追いやられた方向の登山道には、クマに気づいていない人たちがおり、私は、馬場の小路にいて、『クマが来ているよ!』と注意を呼びかけました。2人とは、けっこう距離があり、あっという間の出来事でしたので、とても構っていられるような状況ではありませんでした」
駒ヶ岳は、青森・岩手・秋田にまたがる十和田八幡平国立公園内にあり、公園は、環境省が管理している。
同省の鹿角管理官事務所(秋田県鹿角市)は29日、J-CASTニュースの取材に対し、拡散されたツイートの内容は知っているとしたうえで、担当者がこう話した。