秋田・岩手両県にまたがる秋田駒ヶ岳(標高1637メートル)で、男性2人組がドローンでツキノワグマを追いやり、クマが登山道に近づいて危険だったとの報告がツイッターに寄せられた。
秋田県が委嘱している自然公園管理員も現場を目撃しており、県の自然保護課では、「マナーとして好ましくなく、クマを刺激すれば登山者にも危険になる」と話している。
クマは、人も歩いていた登山道近くまで追いやられた
駒ヶ岳の尾根にあるという登山道下の斜面は、土や石がややむき出しになったような場所で、そこを黒っぽいクマが登ろうとしている。
写真では、人の姿は見えないものの、あとちょっと上に行けば登山道だ。
この写真は、ツイッターで2021年6月27日夜に投稿された。
ツイートによると、この日昼過ぎ、斜面にクマがいたところ、男性2人組がドローンを飛ばしてクマを追いかけた。クマは、ドローンを避けるようにして、人も歩いていた登山道近くまで追いやられたという。
2人は、ドローンを操縦しながらクマのことで盛り上がり、登山者にクマの存在を知らせようともしなかったとしている。
投稿は注目を集め、5000件以上リツイートされている。2人への非難の声は多く、「何考えてるんだろうか」「登山者の方々が襲われたらって考えるとぞっとします」「動物虐待でしょ。これ」といったリプライが相次いでいた。
実は、この現場近くでは当時、自然公園管理員もドローンを飛ばす人がいるのを目撃し、27日のうちに仙北市に情報提供して、市の駒ヶ岳情報で刺激を与えて興奮させないよう注意を呼びかけていた。現場は、登山道周辺の「大焼砂(おおやけすな)」と呼ばれる場所だった。
自然公園管理員の山岡一(はじめ)さん(71)は30日、J-CASTニュースの取材に対し、当時の状況を説明した。
それによると、山岡さんらが27日13時半ごろ、外れた木道を直す作業を終えて、ムーミン谷とも呼ばれている「馬場の小路」を大焼砂分岐に向け歩いていると、誰かが突然、「クマが出た!」と叫んだ。