小田急線の一部駅に設置された「オブジェ」が、ネット上で思わぬ注目を集めている。何の目的で作られたのか、見ただけではさっぱり分からないというのだ。
休憩スペースにさりげなく
この物体は、あるツイッターユーザーが2021年6月20日、「小田急線駅構内で見かける謎の円形」と紹介されたことで話題となった。円形の構造物で、中には白い板が張られているのみ。周辺には乗客が座れるようなベンチが設けられ、休憩スペースのようになっている。
記者は23日に小田急線をめぐり、和泉多摩川駅・狛江駅・喜多見駅の3駅でこの物体とスペースを確認した。
3駅は複々線区間にある高架駅で、線路両端に上下線ホームがあるという構造が共通している。ホームにつながる階段下、上下線双方に1か所ずつ設置されていた。この区間は東北沢~登戸間の複々線区間の中でも最も早く1995年に高架複々線工事が完了している。
記者が訪れた中では、同じ構造であっても、後から高架化された祖師ヶ谷大蔵駅や千歳船橋駅にはなかった。バブル崩壊直後でまだ経済的に余裕があった時代故の産物だろうか。
取材時は平日のデータイムで、確かに電車を乗り降りする乗客が立ち寄りちょっとした休憩などに使われている。問題の円形の構造物の他にも、座席の横には同じデザインで円柱をカットしたかのような構造物もあり、やはりタイルで「封」がされたかのようになっている。
「花壇にする計画だった」説は本当?
この構造物についてネット上では、「トマソンだ」「ベイブレードができそう」など、その存在や用途を推測するという声が続々と。また、何のためにつくられたのかついてもネットユーザーの興味を引いた。
なかでも「花壇にする計画だったが予算がなく、コンクリートを流した」という説が注目されたが、本当のところはどうだったのか。
J-CASTニュースは小田急電鉄CSR広報部に、このオブジェの詳細について取材したが、25日に寄せられた回答は、正確な建設目的・時期については「お答えできることはありません」だけだった。