IOC幹部の被爆地訪問、本当に必要? コロナ禍なのになぜ...広がらない歓迎ムード

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   国際オリンピック委員会(IOC)幹部の被爆地訪問にインターネットで様々な声が上がっている。

   各報道によると、IOCのトーマス・バッハ会長が2021年7月16日に被爆地の広島を訪問する方向で調整が進み、ジョン・コーツ副会長が同日に長崎を訪れる計画が検討されているという。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなかでIOC幹部による被爆地訪問を疑問視する声もみられ、今後の動向が注目されている。

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「バッハ会長にも広島の心を知っていただきたい」

   バッハ会長は7月9日に来日する予定で、国際連合総会で採択されたオリンピック休戦決議の期間が開始される16日に広島を訪問する方向で調整が進められている。コーツ副会長は今月15日に来日しており、大会の準備を管理する立場から競技会場の視察などを行っている。

   バッハ会長やコーツ副会長らIOC幹部による五輪開催に向けての強硬な姿勢や発言は、これまでに幾度も国内で賛否を呼んできた。それだけに、今回の被爆地訪問に関してツイッターでは複雑な心境を吐露する投稿も。歓迎ムードいっぱいというわけではなさそうだ。

   地元広島のメディアである「テレビ新広島」(WEB版)は6月27日にバッハ会長の広島訪問に関する記事をアップし、被爆者のコメントとして「平和資料館にある被爆者の遺品などを見ることで被爆の惨状を知ってほしい。報復の連鎖を断ち切るということをバッハ会長にも広島の心を知っていただきたい」と伝えている。

   一方でネットでは、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなかで、東京から広島や長崎に移動することに関して「超法規的行動」と指摘する声もあり、移動の「リスク」や被爆地訪問の「意義」を問う声も上がっている。

最新世論調査「観客なしで行うべきだ」が64%

   東京五輪・パラリンピック開幕まで1カ月を切っており、大会の準備は着々と進められている。各メディアやネットなどで大会開催の是非を巡る論争は止むことがなく、東京都内のウイルス感染者数は少しずつではあるが増加の傾向にある。

   朝日新聞社デジタル版は27日に最新の世論調査結果を伝えた。朝日新聞は東京都内の有権者を対象に6月26~27日に世論調査(電話)を実施。東京五輪・パラリンピックを今夏に開催する場合、「観客なしで行うべきだ」が64%、「観客数を制限して行うべきだ」が30%だった。また、開催に関して3択で尋ねたところ、「今夏に開催」が38%、「中止」が33%、「再び延期」が27%だったという。

   ここまでIOCは一貫して大会開催への姿勢を崩さず、組織委員会からも「中止」や「延期」の声は聞こえてこない。スポーツを通じて平和への取り組みをアピールしたいIOCの思いは通じるのか。大会は7月23日に幕を開ける。

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