ドラムの「音量」に大きな特徴
◆スネアドラムを強調したサウンドにBUCHIAGARU!!
そして、派手なストリングスや二胡に気を取られてしまいがちですが「恋」のサウンドには、ドラムがとても大きな役割を果たしていると思います。
ドラムの中でも、特にスネアドラムの音なんですが、改めて聴いてみると、「恋」に入っているスネアの音、めちゃくちゃ存在感も音量自体も大きいと思いませんか?
一般的にJ-POPの音楽制作をする時は、ボーカルが一番前にくるようにミックス(レコーディングした楽器やボーカルを一つの曲としてまとめ上げる作業)をすることが多いですが、「恋」ではスネアドラムの音をボーカルと同じくらい前面に出していこうという意思が明確に感じられます。
「恋」以前の楽曲でサウンド的に近しい、「SUN」や「Weekend」といったような楽曲では、まだスネアドラムの音は控えめなのですが、この「恋」を機にと言いますか、その後の星野源さんのヒット曲である「アイデア」や「創造」といった楽曲でも一気にスネアドラムの存在感が増しています。
もしかすると、「恋」のあたりから星野源さん及び星野源さんの制作チームが、一般的なJ-POP的なサウンドに寄せていくよりも、自分たちのセンスでかっこいいものを作った方がいいんじゃないか、という意思の元で楽曲の制作をはじめたからなのではないかな・・・などと勝手に想像してしまいました。
そしてこの大きなスネアドラムの音、めちゃくちゃかっこよくて、正直僕はドラムを聴きたくて星野源さんの楽曲を聴いているみたいなところがあったりします。
「恋」は王道のようでもありながらポップスという枠の中で遊びまくっており、随所にこだわりが感じられる素晴らしい名曲だなと改めて思いました!