「シェアサイクル旅は『道中』こそが目的地」
ほぼ丸2日がかりで「ハルヒ自転車を西宮へ持っていく」という目的を達成したばか者さん。しかし「(ゴールした)達成感などはあまり湧かず、どのように写真を撮ればいいだろうかなんてことばかり考えてました」と振り返る。
今回の旅でかかった費用は、シェアサイクルの利用料金とフェリー運賃を合わせて2万4200円。同じルートを電車と新幹線で乗り継げば、片道約1万5000円、4時間程度でアクセスできるのを考えると、決して効率的な移動手段とは言えない。
時間もかかる。場合によってはお金もかかる。身体への負担も小さくない。それなのになぜ、シェアサイクル旅行に惹かれるのか。ばか者さんは、こう力説する。
「基本的にシェアサイクル旅は『道中』こそが目的地です。電車に乗っていては見過ごしてしまう何か、その土地の雰囲気、あるいは知り得なかった名所や名物に出くわすかもしれない。そういった思いがけない出会いを求めて、旅を行なっています」
今回の旅では、徳島市内で立ち寄った「やまきょう」(ラーメン店)や大坂峠の展望台など、公共交通機関でアクセスするのが難しい場所もあった。「このようなルートを採用しなければ、訪れる機会はなかった」と、ばか者さんは振り返る。
ばか者さんは今回、ポートのない徳島県を経由地に選んだが、ある程度ポートが点在する地域であれば、旅のハードルも高くないとする。「行った先でパッと借りて返すだけ。最悪諦めて途中で引き返したって問題ありません。一般人が気軽に楽しめる自転車旅、それがシェアサイクル旅なのだと思います」
最後に、シェアサイクル旅の「オススメルート」を教えてくれた。
「静岡県静岡市〜藤枝市をまたぐ『宇津ノ谷峠』越えです。戦国時代から続く『とろろ汁』の名店・丁子屋(静岡市)や、峠にある煉瓦造りの『明治のトンネル』(静岡市〜藤枝市)、江戸時代の宿泊施設を利用した歴史資料館『大旅籠柏屋』(藤枝市)など見所がたくさんあります。峠越えですが、乗り通しても距離は30kmもないので、電動アシストのバッテリーが切れる不安はないでしょう」
(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)