トウカイテイオーを「突き落とす」マックイーンの完勝劇
1993年の宝塚記念ではマックイーンが勝利しているが、ゲーム内でのマックイーンはシニア級の宝塚記念に出走すると舞台はいつもの阪神ではなく、京都となっている。 これは1991年が京都開催となっていた点が反映されており、レース前のイベントでもこの年のライアンとの対決を意識したコメントが流れる。つまり、ゲーム中では1991年の宝塚記念をイメージされたシナリオなのだ。
だが、アニメでは1993年の宝塚記念が2期9話で登場する。ただ、それはトウカイテイオーが3度目の骨折をした最中、宝塚記念を完勝する強いマックイーンを寮のテレビから見守るテイオーのシーンだ。引退がちらつくテイオーにとって順調にG1勝利を重ねるマックイーンに心が折れかけてゆく切ない展開になってしまっているのだが、それだけこの宝塚記念は「完勝」だった。しっかりイクノディクタスが追いかけるが差が詰まらないという実況も、その完勝劇を表現している。
ウマ娘・メジロ家の宝塚記念はアニメとゲームに分かれて、3年ともすべて表現されている。ステイヤーの名家であるメジロ家だが、中距離の宝塚記念もまた、メジロ家を語るうえで欠かすことのできない舞台なのだ。そう考えるとメロディーレーンが持っている背景はとてつもなく重く、奮戦する様子を見守りたいところだ。
(公営競技ライター 佐藤永記)