侍ジャパン・稲葉篤紀が発表した東京五輪の内定24選手。球団別で見ると、広島が菊池涼介、鈴木誠也、森下暢仁、栗林良吏と4人が選ばれて12球団最多だった。故障の影響で出場を辞退したが、會澤翼を入れると5人になる。
一方、チームは低迷している。交流戦は3勝12敗3分で最下位。2021年6月25日現在、ペナントレースでも21勝37敗8分けで最下位に沈んでいる。優勝どころかCS進出も厳しい状況だ。
このメンバーでなぜこれほど負けるのか
侍ジャパンに選出されたメンバーを見てみよう。鈴木は不動の4番と目され、菊池も抜群の守備能力で楽天・浅村栄斗、ヤクルト・山田哲人と強打者たちを押しのけ、二塁のレギュラーでスタメン起用される可能性が高い。
本格派右腕のプロ2年目・森下も巨人・菅野智之、中日・大野雄大が本調子でない中、先発の軸として期待される。新人ながら唯一選出された栗林は広島で守護神に抜擢され、球団タイ記録の開幕から21試合連続無失点と圧巻の成績を残している。4選手の選出に異議はないだろう。
これだけの豪華なタレントを擁しながら、先述のようにチーム状況は厳しい。
5月中旬に新型コロナウイルスで陽性判定を受け、濃厚接触者らを含め、主力を含む計14人が「感染拡大防止特例」で登録抹消された不運は配慮しなければいけない。だが、林晃汰、小園海斗、中村奨成、羽月隆太郎、宇草孔基と将来を有望視される若手たちが次々に台頭している。
16年からリーグ3連覇を飾った黄金時代から考えれば、このメンバーでなぜこれほど負けるのか理解できないかもしれない。