催涙スプレーを浴びた暴漢役の経過は?
加藤さんによれば、暴漢役はみずから進んで役を引き受けてくれたそうだ。彼らは、その後無事だったのだろうか。
「2人目は頑張りすぎたせいで、催涙成分を多く浴びました。そのためと思いますが、完全回復に2時間以上かかっています。あと相当暑い日におこなった事も影響したかもしれません。毛穴が広がると成分を吸収するので」
あまり催涙スプレーを浴びなかった1人目は、約30分で目が開くようになり、45分後にはほぼ回復したとする。
このように強力な効果が実証された催涙スプレーであるが、携帯には注意が必要だ。加藤さんは、護身用品は「買うのはOK、持ち歩きはNGというのが実情」だと持論を述べる。
「軽犯罪法上は『正当な理由なく~携帯していた者』と規定されていますが曖昧すぎます。実際の判断は、現場の警察官にゆだねられており、たいてい正当な理由とは認められません。
つまり身を守るため持ち歩く必要があっても、法的にはほぼアウトと認識する必要があります。ほぼと言ったのは稀に認められることもあるからです」
加藤さんは、「客観的に見ても正当な理由で護身用品を必要としている方は少なくない」として、「持つリスクと持たないリスク」を考え、自己責任で携帯すべきか判断するしかないと述べる。
一方で、誰でも手軽に携帯できる護身用品もある。