「残念ながら、簡単な護身術というのは存在しないのです」
加藤さんによれば、動画を撮影したのは約15年前。催涙スプレーの効果があまり知られていなかったので、検証するために撮影したという。その際、下記のルールを設けた。
「1.スタート時の双方の間隔は約3m
2.開始は襲撃側の好きなタイミング
3.追い付かれる(ダミーナイフが触れる)か、追えなくなるまで続ける」
加藤さんは「本当のリアルなシチュエーションは用意できませんでしたが、有用な効果測定になったと思います」と振り返り、動画の見どころについてこう述べる。
「(暴漢役の)二人目が崩れこみながらナイフを投げている点は要注意ポイントです。追い詰められた人間は、刃物を投げるくらいは平気でしますので」
動画は、ツイッターで約95万回再生され、大きな反響を呼んでいる。多数の感想も寄せられた。加藤さんは、催涙スプレーの効果について「すごく効く」と「効くまでに時間がかかりすぎ」と見方が割れたとしている。
「どちらも正しいと言えますが、はっきりしているのは、今のところ催涙スプレーが最も簡単で効果的な護身用品という事。つまり労力と効果のコスパが高いのです。
そうはいっても、誰もが簡単に使えるわけではありません。残念ながら、簡単な護身術というのは存在しないのです」
催涙スプレーの効きは人によって異なるうえ、的確に当てられないこともある。そのため暴漢が完全に動けなくなるまでは、スプレーを噴射しながら逃げ続けることも重要だ。